○男前のあがった進一さん
私の髪型はもう40年近く変わらないヘアースタイルです。水産高校という海の男を育てる高校で学んだため、髪を伸ばすことは禁止されていましたし、私自身の性格も髪の長いのは好きでないので、これまでは角刈り若しくは丸刈りといった具合です。下灘から上灘へ居を移して散髪屋さんは変わりましたが、変わらないのは月1回のペースで散髪をすることです。長い髪の人は3ヶ月間くらい伸ばすそうですが、短い髪型だと1ヶ月に一度はしないと、こちらの方言でいう「おおがっそ」(髪が伸び過ぎた状態)といって無精者に見られるため、伸び具合を見計らって散髪屋へ出かけるのです。
昨日は娘の夜勤の都合で孫を松山の幼稚園へ向かえに行った帰りに立ち寄りました。例によってお疲れモードの孫を助手席に乗せて40分の道程を帰るのですが、家の近くまで帰るとスースー寝てしまいました。いつものことなので散髪屋さんの駐車場に停めて孫の上にコートを掛けてロックし散髪をし始めました。散髪屋のご主人と奥さんが心配して10分おきに様子を見に行ってくれるのですが、孫は寝入りばなでびくともせず気持ちよさそうに寝ていました。
散髪は気持ちがいいもので、私はいつも1時間弱の間ご主人と世間話に花を咲かせながらついウトウトしてしまいます。バリカン仕上げで首筋から裾を刈り上げ、あとはハサミで仕上げてゆくのですが、僅か数センチの髪の毛が減っただけなのに何故か頭が軽くなったような気持ちになるのです。
刈上げが終われば髭剃り、洗髪、仕上げとなるのですが、まあ自分で言うのも何なんでしょうか、すっかり男前になってしまいました。人間は不思議なもので髪の手入れをすると何故かしゃんとしたような気分になるのです。
車に戻って中を見ると孫は相変わらずスースー気持ちよさそうに眠っていました。うつろな目を起して家の中に入りましたが、少しの間はぐずっていましたが、おもちゃやおやつでなだめ何とか気分を直しました。先日4歳の誕生日を迎えたし、娘に赤ちゃんが誕生するということを知っているので「お兄ちゃんになったのだから」くらいの殺し文句で十分立ち直ってくれるのです。最近は聞き分けも随分良くなって、母親が夜勤のことも納得し妻の作った大好物のハンバーグを2個も平らげました。
男前の上がった私を見て妻はいつも二つの言葉を言います。「まあ見違えるような男前になって」の次に、「その頭だったら3400円は勿体ない」というのです。前言葉はいいとしても、後言葉は金が惜しくていっているのか代価をいっているのかわかりません。「その髪型だったら私が息子用に買ったバリカンで十分」と追い討ちをかけます。そうかも知れませんがまだセミリタイアの身で、人前に出ることも多いので年金暮らしで贅沢はいえませんが当分はお許しいただいたいと思っています。
先日古い写真を整理をしていて妻がいうのです。「お父さんは昔は相当ふけてたのね」と・・・・・・。「昔ふけてたのなら今が若返ったということか」と返しましたが、確かに昔の写真は穏やかな時代を反映してか「質素」という感じがして、確かに若さのようなものが感じられないのも事実です。でも若かったあの頃と髪型も殆ど変わらず、禿もせず白髪も目立たず、「若松さん髪を染めているの?」と言われるくらいです。髪の悩みは年齢を重ねると誰もが何らかの形で経験します。それを年齢のせいだと割り切れればいいのですが、なかなかそうは思わないもので、白髪を染めたり禿にはアデランスを着けたりと工夫を凝らしているようです。幸い私は髪に油をつけるわけでもなく、手入れをするわけでもなく、ドライヤーで髪を乾かすでもありません。唯一の手入れは毎日髪をシャンプーすることだけなのです。メガネをかけなくても新聞が読める目のよさと、いい髪に産んでくれた母親に感謝します。
「男前があがった」といってもこの程度、まあ諦めるより仕方がないか。
「孫寝かせ 気にしながらも 散髪す 午後のひと時 何事もなく」
「妻にしか 価値がないのか 男前 それでも俺は 散髪投資」
「床を見て これだけの髪 だけなのに 軽くなったよな 気分になって」
「禿もせず 白髪ちらほら この歳で 母に感謝の 鏡の自分」
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深夜明けだったので、相当疲れました。でも、Iさん,Aさんのお話を聞くことが出来て、ラッキーでした。改めて、メールありがとうございました。自分の未来を、考えさせられました。私もこんな5世帯ぐらいのグループリビングで暮らしたいですね。グリーンメンバーとの、ハーモニカコンサートよかったですよ。画像貼ってみます。うまくいかないかも?