shin-1さんの日記

○後楽園から岡山城へ②

 後楽園は水戸の偕楽園、金沢の兼六園とともに日本三名園の一つに数えられる名庭園です。岡山藩主池田綱政公が家臣の津田永忠に命じて貞享4年に着工、元禄13年に完成しています。明治17年に岡山県に譲渡され一般公開されています。園内は広い芝生地や池、築山、茶室が園路や水路で結ばれ、歩きながら移り変わる景色を眺めることができるように工夫された回遊式庭園です。

延養亭、能舞台、二色が岡、花葉の池、馬場・弓場、地蔵堂、御船入り跡、茶畑、慈眼堂、沢の池、簾池軒、唯心山、千入の森、井田ハス園、流店、八橋、花交の池、茶祖堂、梅林、桜・紅葉林など、見ても飽きない工夫が随所にちりばめられて、何時間でも飽きない程の美しさで名園の名を欲しいままにしているのです。

 名園後楽園の散策を楽しみながら川面を見ていると、何やら騒々しい人たちに出会いました。見れば池面にはたくさんのカモメが羽を休めていました。また池の中には沢山の錦鯉が悠然と泳いでいました。茶屋の店先には「鯉の餌あります」と書いていました。その餌を買って鯉に餌をやろうとするのですが、目敏いカモメは鯉の上前をはねて餌を食べてしまうのです。餌やりに講じているのは、言葉尻からするとどうも韓国人の観光客のようでした。まあ楽しいずっこけぶりで、見ているこちらが楽しくなるような雰囲気でした。

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 後楽園は池田公の庭園なので傍にある岡山城が何処からでも一望できるのです。私も芸術家ぶって、休憩所の格子窓から見える講演とお城を、少しリアルなタッチで撮ってみました。じぶんながら言いアングルで、正月早々お墓参りの際に壊れたカメラとは思えない出来栄えに思わずにんまりしました。

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 後楽園を出た私は別の門を出て、岡山城へと続鉄の橋を渡りました。黒金の廊下門をくぐって鉄砲弓矢の穴のあいた土塀を伝うようい坂を上がると、いきなりド迫力な本丸城が目の前に姿を現しました。別名烏城ともいわれるこの城はその名前の通り一面黒く見えるのです。でも威風堂堂とした姿は、やはり岡山市のシンボルとして県民・市民愛されているようでした。残念ながら御城の中へは時間切れで入りませんでしたが、のんびりと別の門から出て、再び歩いて岡山駅を目指して歩きました。

 私の日ごろ鍛えた健脚も相当なもので、携帯電話についている万歩計を見るとこの日の歩数は一万八千歩を超えていましたが、足が痛くなることもなく岡山市内の散策を終えました。

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  「のんびりと  後楽園から烏城 冬の夕暮れ 一人で歩く」

  「名の知れた 天下の公園 さすがなり 冬には冬の 趣ありて」

  「一年中  日本国中  旅をして しみじみ思う  いい国生まれ」

  「今回も 荷物にならぬ 思い出を 沢山持ちて 我が家帰りぬ」 

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○日本三大名園後楽園を訪ねる①

 私の講演旅行の機会も加齢とともに、体力的な限界が近付きつつあります。退職してからこの5年間、ほぼコンスタントに毎年120回くらいな講演をこなしていましたが、さすがに少し疲れるようです。そのため今年からは毎月約1週間は連続して休むよう心がけています。それは気力と体力、それに知力がうまくマッチしないと、講演先の相手に失礼なからなのです。そんな思いもあって出かける時はこれまで以上に少しのんびりしようと心がけています。

 今回の岡山での講演も、本来なら総社市で朝10時からですから早朝5時に家を車で出れば、瀬戸大橋を渡って何とか日帰り出来ると思ったのですが、相手から前日の宿泊を、そして妻から公共交通機関を利用を勧められたのをいいことに、一泊二日の旅と相成りました。


 岡山といえば何度も足を運んでいる場所だし、街中も相当歩いているのですが、それでも冬の芝生の枯れた後楽園を見たいと思い、一便早い特急しおかぜに乗ったのです。岡山駅に着くと直ぐに相手先の先生が手配をしてくれた宿舎である東横インに向かい、まず荷物を預けてカメラ片手の身軽な格好で歩き始めました。ホテルは西口、後楽園は東口の反対側なので、かなり歩かなければなりませんでしたが、それも承知の上で体力づくりだと思い歩きました。

 川に架かった長くて太い橋の向こうにこんもりとした後楽園公園が見えてきました。箒を逆さにしたような大きな欅の木はすっかり葉を落とし、冬の風情で私を迎えてくれました。チケットを買い求め講演の中に入りましたが、シーズンオフの夕暮れ時とあって人影もまばらで、イメージした通り芝生は冬枯れして真っ青な空の青とマッチして美しい光景を見せていました。

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 水辺に写る空の色も格別美しく、水面に写る空の色も周辺の松の緑もまさに絵になる光景で癒される思いがしました。公園は平地にあるものの築山の妙とでもいうのでしょうか、公園のほぼ中央にこんもりとした小山があって、公園内の日とん度を見あ渡せるようになっているのです。築山には茅葺の東屋があって心憎いばかりの見事な設えです。この日は乾燥注意報が出るほど空気が澄んでいて、歩く足元は歩く度に土煙るがたち靴もズボンも土埃だらけになってしまいましたが、そんなことも気にせず園内を楽しく散歩して歩きました。

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 以前妻と来た時は確か燃えるような若草でした。春の梅や桜、夏の菖蒲、秋の紅葉などを連想しながら歩くのもまた一興です。公園の池に浮島のような小さな島があって太鼓橋が架かっていました。またその袂には池に張り出した船隠しの小さな小屋があって、目と足を奪われました。近くの茶屋の赤毛氈を敷いたひろしきに腰をかけ、お茶子さんの差し出す抹茶を飲みながら止まったような時空を楽しみました。

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  「せっかくの 機会だからと 欲張って 一便早く 列車に乗りぬ」

  「荷を預け カメラ片手に 冬道を 長閑に歩く これぞ幸せ」

  「冬枯れの 公園風情 これもよし 足にまとわる 土煙り無視」

  「大名が 贅の限りを 尽くしたる 庭園我も  銭を払って」

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