人間牧場

〇束の間の広島県尾道市因島水軍城(その1)

 昨日は久しぶりにしまなみ海道を通って、広島県尾道市因島経由で上島町弓削島へ講演に出かけました。早朝にわが家を経ち今治からしまなみ海道の来島海峡大橋、大島大橋、大三島橋、多々羅大橋、因島橋と、いつものことながらまるで橋の世界的見本市を見るように、絶好の秋日和も手伝って、それぞれの橋や島々の景色を存分に堪能することができました。
 因島といえば村上水軍と造船の島、除虫菊咲く島で、特に造船繁栄の時代には人口も10万人を超えていたようですが、今は人口も1万人台とか聞き、その面影だけは残っているものの、隣の尾道市と合併したためどこか寂しさを感じました。私は何処かへ出かける時は必ず、目的地以外にプラスワンのおまけ見学を考えて行動するようにしていますが、今回は少し家を早く出て水軍城を選びました。

山頂にある水軍城

 上島町社会福祉協議会の福田さんから指示があった、因島南ICで高速道路を降り、土生長崎桟橋と反対の道を走り看板に沿って水軍城へ向かいました。因島は青年会議所の招きや尾道市教育委員会の金本さんの招きで何度か講演に来ているため、よく知った島なのです。またかつて因島青年会議所の皆さんと交流していた頃、ヒマヤラ桜の苗を植樹交流するため、わが町の潮風ふれあい公園へ大勢がやってきたこともありました。はたまた先日広島県旧総領町で開かれた逆手塾で出会った今井和美さんの家にも、泊めていただいたことなどを思い出しながら、急な坂道を登って行きましたが、村上水軍城はあいにく木曜日が休館日で、外からの見学だけとなってしまいました。看板に書かれた水軍の故事来歴や、金蓮寺というお寺の裏の墓地内にある、村上水軍ゆかりの無数の宝経院塔や五輪塔などをただ一人巡りましたが、まさにつわものどもが夢の跡でした。

 

金蓮寺山門に建つ「あ」の仏像

 

「うん」の仏像

金蓮寺というお寺の山門入口には珍しい「あ」と「うん」の石仏像があることを思い出し、墓地のあるお寺の裏から山門をくぐりました。私の記憶どおり仏様の像はありましたが、何ともユーモラスな感じがして、思わず一人ほほ笑んで対峙してしまいました。私たちの地方ではお墓に飾るのはシキビなのですが、この地方では生花を飾る風習があるらしく、お墓の前には綺麗な花が沢山備えられていました。

金蓮寺裏にある村上水軍の墓地

 その後そろそろ時間だと思い看板に沿って峠道を越えて土生長崎桟橋へ向かいました。福田さんから「この周辺は沢山の桟橋があるので間違わないように」と、注意のメールが入っていたので、確かめるように4階建ての市営有料駐車場へ車を止めるべく入りましたが、あいにく満車で困ったと思っていると、運よく一台出てくれ大助かりで。4階の駐車することができました。エレベーターで一階まで降り、待合所らしき所で暇そうにテレビを見ていた、店番のおじいさんに、「弓削島へ行く船はここから出るの?」と尋ねると、「弓削島へ何をしに行くのか」といきなり問われました。「はい講演に出かけます」と答えると、足の先から頭の先まで眺めながら驚いた様子で、「生名に渡って橋を渡る方法があるが、そこから歩く自信があるのか」と言われたりしましたが、「それだったらあの船に乗れ」と急がされました。しかし指差すその小型のフェリーは、既に桟橋を離れバックしていました。しかし私の存在に気付いた船は、わざわざ私一人のために引き返してもらい、30分も一便早い船に乗船することができたのも、田舎ならではのほのぼのとした光景でした。

因島海峡を縫うように長閑に走るフェリーの航跡

 因島と生名島の間は300mほどの海峡で、この海峡の間に目には見えない広島県と愛媛県の県境が存在する不思議な場所で、壺井栄の「二十四の瞳」の冒頭に出てくる、「岬かと思えば島なり、島かと思えば岬なり」を地で行く風景を、フェリーの船内から堪能することができました。特に5年前に生名島には佐島から立派な橋がかかり、弓削島と陸続きになっていました。
 船賃は240円で、乗船すると直ぐに船員さんがキップを船内で販売する仕組みになっているのも珍しい光景です。マッチ箱のような小さなフェリーで、僅か15分で弓削島到着です。自著本を販売したらどうかという福田さんの提案で、本を風呂敷に包んで持参したため、かなり重いことを実感覚悟していましたが、会場となるせとうち交流館は桟橋の目と鼻の先にあるので、重さを実感する間もなく会場へ到着しました。

  「プラスワン 今回の旅 水軍城 運が悪くて 木曜休館」

  「水軍の つわものどもが 夢の跡 史跡訪ねて 一人散策」

  「岬かと 思えば島の 県境を 小さなフェリー のんびり走る」

  「桟橋を 離れたフェリー 引き返す 島人優し 私を乗せて」

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