shin-1さんの日記

投稿者: | 2006年10月12日

○パラグライダーの飛ぶ町

 今年も北東の風が吹く頃になってきました。秋になると決まって吹くこの風のことを地元では「こち」とか「くだり」とか呼んでいますが、いい天気なのに波風が強くて漁を休まなければならないことから「のら(怠け者)風」とも呼んで余り歓迎されないようです。この風の特長は朝方穏やかでも次第に勢いを増し、昼ごろに強くなるのです。ところが「夫婦喧嘩とくだりの風は夕方凪ぐ」といわれるように夕方になるとピタリと止むのですから不思議です。そしてくだりの風は雨が降るまで何日も吹くので歓迎されないようです。それでもこの風は風土と呼ばれるに相応しい風ですから自然現象として様々な暮しに関わっているようです。

 この季節になるとこれまでの南西の追い風で飛べなかったパラグライダーが一斉に飛び始めます。勿論強風の昼間は飛べないのですが、くだりの風が穏やかになる3時過ぎになると上空にまるで色とりどりのコスモスの花を咲かせたように飛ぶのです。田舎の、しかも何の変哲もない漁師町にパラグライダーを飛ばせようと思いついたのはもう二十年以上も前のことでした。パラグライダーやハングライダーが既に飛んでいた香川県引田町や高知県吾川町へこっそり見学に行ってそのノウハウを教えてもらったり、全国的に知名度の高い国際大会出場の経験もある高木さんに一年をかけて双海町の気象状況を調査してもらったり、随分とあれやこれや思いつくことをやったものです。そのうち標高896メートルの牛の峯山に間伐材を集めて手作りのランディング場を作りましたが、最初はテイクオフの長さが短いため杉の木を越えることが出来ず、木に引っかかってあわや大怪我という事態もありましたし、降りる場所だって稲刈りをした後の田んぼの地主に了解を得て利用していました。

 パラグライダーが本格的にスカイスポーツとして双海町で飛び始めたのはシーサイド公園がオープンした平成7年からですが、そのころには町が牛の峰山に念願の発射場を作りバックアップ体制が整って大会が開けるようになりました。思えば長い長い苦労でしたが高木さんという熱心な青年のお陰で、これまでパラグライダーといえば塩塚高原のように車で3時間もかからないと行けないような山奥だったのが、県庁所在地から1時間もすれば行ける身近な場所でできるようになったのですから感無量です。今は多くのパラグライダー愛好者が、多い日には30人以上もやって来て何度も飛んでいるようです。ただパラグライダーの欠点は飛び立つ山頂まで車で登ぼるので人の世話にならなければならないということです。でもそれはかえって仲間意識が生まれ、高木ファミリーのように仲のよい集団を作っているのです。

 私はこれまで1回、高木さんのサポートを得て憧れのパラグライダーに乗って大空散歩を試みました。多少の不安や家族の反対もありましたが、大空の旅は想像以上に素晴らしく僅か20分ながら私の思考能力を更に水平思考に変えてくれたのです。もう年齢的には再チャレンジもないものと思われますが、若き日にレオナルドダビンチや二宮忠八のように大空を飛びたい夢を実現しただけでも大満足なのです。

 ことしもパラグライダーのシーズンがやって来ました。安全に気をつけて思い切り楽しんでください。

  「鳥のように 空を飛びたい 夢実現 たった一度の 感動思う」

  「度迫力 頭の上に 降りてきた パラグライダーマン さっそう登場」

  「みな口を 開けて大空 眺めたる 空の一点 次第に大きく」

  「まるで花 咲いたようだと 大空を 指差す先に 風受け飛んで」   



 

 

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