人間牧場

〇お接待所を営む越智カヨ子さん
 私はこれまで約60年間地域づくりに関わり、多くの人と出会って生きてきましたが、世の中には奇特な人がいるものです。越智カヨ子さんと何時出会ったかは定かに覚えてはいませんが、急接近したのは四国88ヶ所世界遺産化の会のフォーラムでした。越智さんは通称カヨちゃんと呼んでいますが、お接待がしたくて出生地の久万高原町に移り住んだという、他人から見れば「ええっ~」と言われそうなお接待ならぬ80歳がらみのおせっかいおばさんです。

 昨日人形作家林さんのアトリエを訪ねましたが、カヨちゃんも同席し色々な話に花を咲かせました。昔看護婦をしていたこと、お接待がしたくてご主人と久万高原町に引っ越して暮らしていること、へんろ道保全やお接待所活動など、世知辛いこの世の中では考えられないような考えや行動には頭が下がる思いでした。カヨちゃんに比べると私などまだまだ修行が足りないと心底思いましたが、真似など出来そうもありません。

 人の縁とは不思議なもので、聞けば私が役場に勤めるきっけけとなった病気入院した松山道後の奥島病院で当時看護婦をしていたそうで、ひょっとしたら気付かないニアミスをしていたかも知れないのです。少しだけ私より年齢を重ねていますが、まあ同年齢同世代の域なので話の波長は全く一緒で、昭和史を地で行く話をたっぷり聞かせてもらいました。時折窓から吹き込む爽やかな涼しい風が眠気を誘ういい一日でした。

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