人間牧場

〇西予市宇和町の松屋
 先日愛媛県公民館研究大会が文化会館であり、鼎談をするため出かけました。私の町から地道でも1時間半もあれば行ける距離なので、前日の打ち合わせ後帰るべきか泊まるべきか迷いましたが、私が仲介して徳島県阿波町の井原まゆみさんに講師を頼んだいきさつもあり、県公連事務局長さんの勧めもあって泊まることにしました。

 泊まったホテルは松屋という老舗旅館ながらビジネスホテル松屋の方でした。私は現役の公民館主事をしていたころ、県公連の主事部会長を務めていたので、多分前回は当時宇和町だったこの地で、1泊2日の研究大会が開かれ、古い松屋旅館に泊まった記憶があるので、ビジネスホテルに泊まった朝、玄関先ながら街並みにある松屋旅館を訪ねました。

 記憶通り松屋旅館はありました。当時はおかみさんが漬けた古いぬか床を使った漬物が有名で、おかみさんと夜遅くまで漬物を食べながら、色々な話をしたことがつい昨日のことのように思い出され懐かしくなりました。息子さんに聞くとそのおかみさんも最近黄泉の国へ旅だったとか、もう一度会いたい人でした。

 玄関先には松屋旅館に逗留した歴史上の文人・政治家の名が墨筆で書かれていて、歴史の重みを感じました。写真に撮った木札の名前をなぞりながら、書棚にある昔読んだことのある、ノーベル賞候補にもなった賀川豊彦の本を取り出し、拾い読みしました。

「鼎談の 打ち合わせあり 宇和町の 松屋泊まりて 今はビジネス」
「朝早く 卯之町街並み 歩きけり 何年か前 記憶頼りに」
「ああここだ 昔泊まった 旅館前 文人政治家 名前をなぞる」
「写真見て 賀川豊彦 書棚から 一冊の本 取り出しなぞる」

 

 

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