〇葬儀会場にて
たった16人の家族葬の葬儀会場ゆえ、こじんまりした会場ながら広さを感じるほどでした。一応受付に誰かが座らなければならず、娘から「お父さん、一応座っといてね」と頼まれ、葬儀場の担当者から説明を受け、言われるままに受付に座りました。
そのうち次男息子家族がやってくる予定でしたが、次男は日赤松山病院に勤務する看護師で、感染症担当なので最近は土日もなく忙しく働いているようで、結局昨日も勤務とあって出勤職場から遅れての参列となりました。ゆえにとりあえず家族別々の参列となりました。
母親に連れられて参列した孫娘は5歳の幼稚園児です。制服を着ての参列となりましたが、5歳の孫が来ただけで重苦しい雰囲気の会場が一変しました。みんなの目が孫娘に移り、賑やかにお喋るする孫娘を囲んで、談笑しました。
孫娘はやんちゃ盛りで 私の元へやって来て しんちゃん(孫娘の私の呼び名)の手伝いをしたいというのです。「今日はお暑いところありがとうございます。ささやかですがお返しです。ありがとうございました」と葬儀にやって来た警察官の3男にお返しの品を差し出しました。まあ何というこましゃくれた孫でしょう。
その後孫娘は神妙に椅子に座っていましたが、やがて告別式が始まると和尚さんの読経が子守唄に聞こえたのかスヤスヤと眠ってしまいました。やがて告別式が終わりいよいよ出棺のころ目を覚まし、何事もなかったように玄関先で霊柩車に手を合わせて見送りました。
「家族葬 5歳の孫が 来ただけで 雰囲気一変 和やかになる」
「受付を 手伝いたいと やって来る こましゃくれてる 言われた通り」
「告別の 読経が流れ 子守唄 孫はスヤスヤ ほほえましくて」
「わが名前 『しんちゃん』と呼ぶ 孫娘 20歳になると 私92歳」