〇タダにはタダの礼
最近はインターネットが普及して、あれ食べたこれ食べた、どこへ行ったあれ買ったなどなど、考えてみると余り自分に関係のないどうでもいいような話題が、SNSなどで世間を騒がせています。それでもそこから消費者が発信する情報が消費行動となるため侮れず、上手く拡散すればたちまちラーメン屋に行列ができるといった珍社会現象が起こるのです。
物々交換も日常茶飯事で、こんなもの要りませんか?、こんなものが欲しいと言えば、早速書き込みがあり商談成立となるのです。私たちのように田舎に住んでると、色々な季節の食べ物がお裾分けとして届きます。それは長年の送ったり送られたりする風習や習慣がそうするのであって、移住してきた人が「田舎の人は色々なものをくれるので優しい」と思ったりしていることとは多少ずれがあるように思うのです。
「タダにはタダの礼」という言葉があります。また「タダほど高いものはない」という言葉もあります。私は長年まちづくりの世界で生きてきました。ゆえに全国の仲間から沢山の旬と思われる特産品が届きます。一度だけ出逢い縁もゆかりもそれほどないと思う人から特産品が届くと、私はお礼のメールや手紙を、妻は几帳面にメモしささやかながら嬉しかった心をお返しとして送るのです。
貰って当たり前、貰って当然といううがった気持ちは、田舎であっても長続きするものではありません。今年も人間牧場に沢山のスモモの実がなりました。わが家ではこの時期をスモモ外交シーズンと呼んでいます。息子はスモモをキッチンペーパーで丁寧に拭き取り、古い菓子箱に詰め、若嫁は手間暇かけてジャムやコンポートに加工し瓶詰めにして、日ごろお世話になっている知人や友人に配るのです。今年も両手指、両足指では足らぬほど配りまくり、追突交通事故に遭い気分の優れぬ若嫁と、退院間もない体調の優れる私の時期が重なったため、多少疲れました。
「あれ欲しい これも欲しいと 簡単に 言ってる人は 果たしていかに」
「世の中は 貰い得など ありえない タダにはタダの 礼儀があって」
「今年の スモモ外交 きつかった 体調今一 家族がカバー」
「生きるとは 生涯かけて 恩返し することですと 永さん教え」