〇75歳にしてクラフトに挑戦
6年前に亡くなった親父は何かにつけて器用でした。ゆえに今も家の周りには親父の造ったものがやたらと多く、暮らしやすい工夫が随所に見られ助かっています。器用な親父には何か困りごとがあれば何でもやってくれるので、自分がする必要もなく日々を暮らしてきました。そんな私を見た親父からは、「お前は不器用だ」といつも言われていました。
ところが親父が亡くなると頼れる人もなく、仕方なしに親父の遺した道具類を使ってあれこれやっていますが、流石にこの歳になると進歩の跡も見られず、釘を打つはずの金槌で手を叩いてみたり、鋸で手を切ったりと大怪我はしないもののすり傷切り傷は絶え間がないほどで、その都度リバテープを貼って回復を待つ有様です。
それでも何かを作ってみたいと思うようになり、蜜蜂の巣箱を作ったり、妻に頼まれて掃除道具置き場作ったりしてますが、少し自信のようなものが頭を持ち上げ、難易度の高いクラフトに挑戦し始めました。何年か前高知県奈半利町に住む坂本利男さんから馬路村産魚梁瀬杉の切り株をいただきました。その切り株は親父の手で座卓に生まれ変わって、人間牧場の水平線の家に運び、私の落伍高座の演台として使っています。
切り株を貰った折、魚梁瀬杉の一枚の板をいただいていました。何をするでもなく煙会所の床下にしまっていましたが、先日その板を何かに出来ないかと思い立ち、木製の少し大き目の盛り皿を作ってみようと思い立ちました。早速ノミやカンナを使って掘ったり削ったりしました。同じように倉庫に保存していたケヤキの板を使って、煙会所の天井から自在鉤を吊るす自在吊りも造り始めました。
クラフトというにはまだまだ修行が足りませんが、2つとも私が初めて挑戦し始めた木工工芸品?なので、その仕上がりを楽しみにしている昨今です。私は明日76歳の誕生日を迎えます。数え年だと喜寿ですが、来年の77歳までにこの二つを綺麗に仕上げ、自在吊りを取り付け、盛り皿に鯛の活け造りを置いて、煙会所の囲炉裏を囲んで喜寿のお祝いをしたいと思っています。乞うご期待です。
「不器用と 親父に烙印 押されたが 性懲りもなく クラフト挑戦」
「魚梁瀬杉 板を使って 盛り皿を 彫ってみようと ノミとカンナで」
「ケヤキ板 使って自在 吊り作る イメージ通りに 中々できぬ」
「これからは こんな趣味にも 手を出して 豊かな人生 謳歌をしたい」