人間牧場

〇「これでいいのだ」バカボン思想

 正月用についた餅をポリバケツに入れて4~5日蓋をして、廊下の隅に置いていましたが、昨日妻は水を注いで水餅にしていました。これも餅を長く保存して食べる生活の知恵でしょうが、私は床の間にお三方で飾っていた大きめの鏡餅を、包丁で8等分に切りましたが、既に硬くなっていてかなり難儀をしました。鏡餅は普通鏡開きやどんど焼きを終えてから処理するのが通例ですが、そこまで置くと硬くなってひび割れがしたりカビが生えたりするので、わが家では勿体ないの思想で毎年こうして食べています。

 わが家では正月以来毎日毎朝、パンに変わって主食はお餅の日々です。私も妻も餅が大好きなので、何の違和感もなく焼いてしょうゆ味やきな粉をまぶしたり、時には雑煮にしたりして食べていますが、パンに比べて腹持ちがよく、妻は「お餅のせいで少し太ったよう」だと、不摂生を餅のせいにしています。今日は小豆を使ってぜんざいを作るようで、すでに小豆は購入していて、焼いたお餅を入れたぜんざいができるのを楽しみにしています。私は甘党ではありませんが、お酒を止めたこともあって、少し甘党寄りになったようです。

 過去は大酒を飲みだった私も、体調を崩してから摂生し、「酒も呑まず煙草も吸わず、コーヒーも飲まず賭け事もせず、100まで生きた馬鹿がいる」と揶揄されるほど今は品行方正で、働くことが趣味という超真面目な人間になっていますが、よくよく考えてみれば、無芸大食で何の楽しみもなく生きている私を、周りの人はどう見ているのでしょうか、少しだけ気になるところです。妻は大酒を飲みで世話の焼けた昔の私を知っているだけに、真面目な今の生き方を大歓迎しているようですが、果たして人生これでいいのでしょうか?。

 先日年輪塾の講師で招いた大洲藤樹会の辻会長さんが、かつて流行った漫画「天才バカボン」の主題曲を披露され、歌詞に出てくる「これでいいのだ」を力説され、その後塾生たちは何かにつけ、「これでいいのだ」をまるで呪文のように連発しているようです。「これじゃあ駄目だ」と思うのか、「これでいいのだ」と思うのかは人様々です。向学は「これじゃあ駄目だ」の思想だし、暮らしはある意味「これでいいのだ」と妥協しないと生きて行けないのも事実です。さすがに70歳を迎えると、「これでいいのだ」と思う程々な生き方も、悪くはないと思う今日この頃です。

  「太り気味 餅のせいだと 妻は言う 不摂生なる 日ごろ棚上げ」

  「毎日の ように餅食べ パン食べず これでいいのだ 言い聞かせつつ」

  「そういえば 天才バカボン その昔 流行ったことを 思い出しつつ」

  「当分は 餅が夫婦の エネル源 今朝も早速 きな粉まぶして」

 

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