〇実のなる木
わが家には柑橘類といった果樹以外に、南天や千両、万両、クロガネモチ、クチナシ等実のなる木が沢山あり、寒くて餌の少なくなったこの時期には、小鳥たちが沢山集まって、実を啄ばんでいる姿をよく見かけるようになりました。特に私たち夫婦が毎日食事を取るダイニングの、大きな掃き出窓から見える裏庭のクロガネモチの木には、今年沢山の赤い実がついて、殺風景な冬の景色を彩ってくれています。
このクロガネモチの木は三男が中学2年生の時、少年式の記念樹として学校から貰ったもので、記念樹ゆえ何処に植えるか迷いましたが、植える空き地が見つからず、現在の所へ借り植えしたのです。その後2~3年は余り成長もせず気にも留めていませんでしたが、最近になって急に太り始め、今年初めて大量の真っ赤な実をつけたのです。これ以上この場所で大きくなると、石垣に悪戯する恐れがあるので、そろそろ植え替えなければならないようです。
植え替える場所は玄関右側に植えている、ヤマモモの木が枯れかけているので、交代させようと思っていますが、妻は毎日赤い実に集まって来る小鳥の姿が見れなくなることを理由に反対しているようで、はてさてどうしたものか思案中です。
小鳥は平和の使者とでもいうのでしょうか、食べた木の実を腹の中で消化し、消化し切れなかった実を飛んで行った場所に、糞とともに落とし、新しい命を芽生えさせてくれるのです。多分わが家の真っ赤なクロガネモチの実も、小鳥たちによって野山に運ばれ、人知れず芽生えるものと思われます。まさに命のリレーなのです。
「わが息子 少年式の 記念にと 貰って植えた 今では立派」
「赤い実を 求めて小鳥 やって来て 啄ばむ姿 ほほえましくて」
「食べた実は どこか運ばれ 人知れず 芽生えて大樹 なるかも知れぬ」
「動物が 植物命 リレーする 自然こうして 巡るものです」