人間牧場

〇雨の恵みのシイタケ収穫

 わが家の裏山には、大洲市田処に住む親友の亀本さんからいただいた、シイタケの原木が10本ばかり置かれています。シイタケは春と秋の年二回生えて収穫できるのです。気温が20度を下回る今頃は丁度その時期で、気付きませんでしたが、妻が「お父さん、あれシイタケが生えてるんじゃない?」と指差すダイニングの窓から見える方向に、確かにシイタケらしきものが生えていました。
 傘を差して近くへ寄ってみると、大きな傘のしいたけが10個ばかりありましたが、シイタケの収穫は孫たちの楽しみの一つなので、夕方保育園から孫たちが帰るのを待ちました。

しいたけを収穫し得意な孫たち
しいたけを収穫し得意な孫たち

 夕方雨の中を孫たちは元気な声で「ただいま~」と玄関先に帰って来たので、長靴のまま小降りになった雨の中を、二人の孫を連れて転ばないよう注意をしながら原木置き場まで行き、立派なシイタケを収穫しました。孫たちはさも自分がシイタケを見つけ収穫したような声で威張り、母親に渡して「今夜はシイタケを食べたい」とせがんでいました。
 若嫁は収穫したシイタケの半分を、小切りにしてフライパンの中に入れ、砂糖と醤油と味醂で味付けし、仕上げに白ゴマを振りかけて、付け焼き風の一品を作ってくれました。食欲をそそるいい匂いが部屋中に立ち込めました。私たちにも一皿シイタケの付け焼き料理を孫たちが持って来てくれましたが、中々の味でした。

カニに餌をやる孫たち
カニに餌をやる孫たち

 シイタケを採って帰る時、大水が溢れている清水の水場で、何やら動くものを見つけました。よく見ると親指に沢山毛の生えた立派なモズクカニが一匹、水に流されまいと石垣にしがみついていました。気付かれないように甲羅の上から掴むと、カニは親指を裏側まで伸ばして抵抗しましたが、そこは子どものころから遊びの中で覚えたカニの捕まえ方なので、用意したバケツの中へ入れて一件落着です。孫たちは珍しそうにカニを見ていましたが食べる気にはならず、今日辺り逃がしてやろうと思っています。
 こんな自然いっぱいと思える田舎に住んでいても、孫たちにとってはむしろ逆の不自然の中で暮らしているので、シイタケを採るのもカニを捕まえるのも、ハラハラ・ドキドキ・ジーンなのです。シイタケの匂いが嫌だった子供時代、カニに思い切り指を噛まれてべそをかいた少年時代、そんな子供時代や少年時代を、孫たちにも思い切り味あわせてやりたいものです。

  「台風の 雨の恵みで シイタケが 生えて嬉しい 収穫味わう」

  「シイタケの 照り焼き作り お裾分け いやはや美味い ご飯のおかず」

  「水場にて カニを捕まえ 持ち帰る バケツ囲んで あれやこれやと」

  「田舎だが 自然どころか 不自然が 多いと納得 どう乗り越える」

 

 

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