人間牧場

〇朝晩の水やリは忙しい

 東北では例年になく活発な梅雨前線の影響で、記録的な豪雨に見舞われ甚大な被害が出たというのに、梅雨が10日間も早く明けた四国・愛媛・伊予では、このところまったく雨が降らず、家庭菜園の野菜類もそろそろ水が欲しいような雲行きです。わが家では夏の渇水対策として、庭の隅に掘っている井戸から家庭菜園まで配水パイプが引かれていて、加えて裏山から自然流水もあって、その気になれば井戸水を農業用に利用できるのですが、朝晩は私も家族も何かと忙しいため、その手間暇時間が中々取れないのです。

 これまで夏の水遣りは親父の仕事でしたが、親父も歳をとって自分が育てている盆栽や庭木といったものに水をかけることはしているようですが、家庭菜園には見向きもしなくなり、あらためて親父の目に見えないこれまでの陰の力に敬服しているところです。
 家庭菜園の野菜類に水をやり始めると、基本的には雨が降るまでやり続けなければなりません。つまり野菜は一度水を人から貰い始めると、その癖がついて自分で地中の水分を取ることを止めてしまうのです。そのことで親父とこれまでにも「水のやり過ぎはよくない」と、他愛のない口喧嘩をしたものですが、いざその役割が自分に降りかかると、これはもう難儀な話となるのです。

 私はこの4~5日菜園に水をやり始めました。というのも抑制栽培、つまり遅いと思われるこの頃に、キュウリの種を蒔きました。春に苗を植えたキュウリは今が盛りで、毎日沢山の実をつけていますが、雨の降らないこの時期になると、葉っぱが黄色くなり始めて、間もなくツルが上がってしまうのです。そのため今年はお盆を過ぎてからキュウリを食べたいと思い、地這い用のタネを蒔いたのです。通常キュウリは垣を作って作りますが、このタネは30cmくらいに育ったら摘芯して地上を這わせるのです。今のところ野鳥の食害にも遭わず、水遣りのお陰で順調に芽を出し伸び始めて、楽しみが増えています。

 そのついでに近所の人から貰った大ネギ、小ネギの種も蒔き水を掛けていますが、そちらは一向に芽を出してくれません。そのついでに隣に植えているサトイモと長ナスにもホースの届く範囲で水をやっているので、今のところ日焼けもせず順調に育っています。水を余りやらなくても育つトマトは今年大豊作で、連日ポリ容器いっぱいも真っ赤な完熟トマトを収穫し、妻は朝昼冷やしたトマトでジュースを作ってくれ、二人で「美味しい、美味しい」と言って楽しんでいます。これは癖になりそうです。もう間もなく畑では秋野菜の準備を始めなければなりません。いやはや家庭菜園もその気になれば何かと忙しいものだと、水をやりながら思う日々です。

  「朝晩の 水やリ大変 今までは 文句言いつつ 親父委ねて」

  「水やると 雨が降るまで 続けねば 野菜は枯れる まるで麻薬だ」

  「朝晩は 何かと忙しく 水遣りも 疎かなりて 枯れる運命」

  「猫の手が 欲しいこの頃 汗かいて 蚊に悩まされ 水を運びぬ」 

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