〇タダでいただくウチワ
今年は太平洋高気圧の勢力が強く、10日間も早く梅雨が明けました。アウトドアーな暮らしをしている私としては、待ちに待った夏の到来ですが、今年はムカデと風邪の影響で体調が変化したのか、やたらと汗をかくようになりました。これまでは寝汗等殆どかかなかったのに、昨晩も寝苦しい熱帯夜だったこともあって、夜中に3度も汗で濡れたパジャマを着替えました。その度妻は冷えたタオルで体の汗を拭いてくれるのですが、妻の寝不足を気遣って昨晩は自分で着替え、自分で身体を拭きました。
わが家は上灘川の川筋で少し高台にあるため、冬寒い分夏は涼しい風が通り抜けて、海風と陸風が入れ替わる夕凪時(4時~6時ころ)を除けば、家が古民家風なこともあって、エアコンの世話になどならなくても涼しく過ごせるのです。したがって暑いといいながら、まだ一度も私の書斎のエアコンは使っていないのです。
夏を前に息子が倉庫からそれぞれの部屋の扇風機を出してくれました。中でも優れ物は息子たちのダイニングに置いている扇風機です。息子は車庫の屋上で小さなソーラーパネルを設置して太陽光発電の真似事をしていますが、バッテリーに蓄電した電力で、省エネタイプの扇風機を回して涼を取っているのです。
私のもっぱらの涼の取り方は古風なようですがウチワです。手動ながらウチワは日本人が作った最高の優れものだと思えるほど効果を発揮しています。私の書斎には色々な方からいただいたウチワが約20本ばかり、鴨居に突き刺して保存していますが、中には竹を割って作った古風なものから、馬路村の親友木下さんから暑中見舞いに届いた杉板のウチワ、蚕が編んだウチワなどかなりバラエティに富んでいます。石鎚さんのお土産に貰った渋ウチワも捨て難い伝統を感じています。
最近はウチワもプラスチックで防水紙が張っているので、少々雨に会ったくらいでは破れません。昔は冬のお歳暮は日めくりカレンダー、夏のお中元はウチワと相場が決っていて、各商店の名前が刷り込まれたウチワを大切に使ったものでした。特にウチワは七輪に火を起こし秋刀魚やトウモロコシを焼く時など、火吹き竹とともに大いに役立ちました。今は七輪で火を起こすことも殆どなくなり、ウチワはもっぱら夏祭りの浴衣帯に差し込む、飾りのようなものになってしまいましたが、夏と言えばウチワと思い出すほど、日本の夏には欠かせない小道具です。
「あちこちで 貰ったウチワ 捨て切れず 鴨居に刺して 風流楽しむ」
「三億円 サマージャンボの 宝くじ ウチワ宣伝 私は買わず」
「右利きで 左ウチワにゃ ならぬけど 今年も手動 涼をいただく」
「七輪に 火おこしウチワ パタパタと とうきび焼いた 昔懐かし」