○ストーブを片付けました
「えっ今頃?」と思われそうです。このところ風邪気味な妻の体調が思わしくなく、本来5月の連休が終わると空焚きしてストーブを別棟倉庫の二階へしまうようにするのですが、延び延びになっていました。今日出張先から帰ると、長男が四つのストーブを掃除をして納屋へしまってくれている作業の真っ最中でした。多分妻が当てにならない私を見越して頼んだのでしょうが、面目ない話です。
それにしても私の住んでいるのは南国四国でどちらかといえば日本列島の中でも暖地に分類される地域で、ストーブなど縁遠いと思っていたのに、約半年もストーブのご厄介になっているのです。最近は灯油の値段がべらぼうに上がって本来なら節約対象の物件なのですが、若い頃ならいざしらず老域に達しつつある私たちにとって暖を取るストーブは欠かすことの出来ない生活必需品なのです。
最近までフキや苦汁菜、マーマレードジャムなど春の山菜を使った保存食を作っていましたが、実は反射タイプのストーブは保存食作りには欠かせない必需品なのです。下ごしらえしたものを鍋でコトコト弱火で煮詰めて行くのにはストーブの余熱が最適で、随分重宝したものです。また煮豆のようにゆっくりと時間をかけなければならないものもストーブの余熱だと、別の用事をしながら焦げることもなく仕上がるのですから有り難い使い方なのです。
空焚きされたストーブはビニールのゴミ袋で包まれ、これから約5ヶ月深い眠りにつくのですが、このストーブと面会する10月下旬には私もひとつ歳をとり、64歳になっているものと思われますが、ストーブを見る度に月日の経つのが早くなったような錯覚を覚えるのです。
ストーブのなくなった台所、居間、書斎、応接室は部屋中がどこか広くなったような気がします。デンと居座り続けていたストーブも、人間とは身勝手なもので邪魔者扱いです。変わって夏の主役である扇風機がお目見えしました。扇風機を見ているだけで夏の暑さや涼を求める気分になるから不思議です。わが家はどちらかというと大きな日本建築の家のため、夏向きの家です。近頃建てられる家のように細かく仕切られていません。襖や障子を取り外すとまるで大広間のように使われる構造になっていて、しかも家のある位置が上灘川沿いの深い谷筋の高台にあるため、夏も冷房が殆ど必要ないのです。窓を開けて網戸にすれば天然の風が気持ちよく吹き込んできます。したがって冷房設備も一部屋だけしかなくそれも殆ど使うことはないのです。
ストーブの話しを今頃するのは気恥ずかしく、わが家の恥のような感じがして妻から怒られそうですが、わが家はやっと夏モードになりました。私の衣替えも一週間遅れて半袖を今日から着ようと思っています。昨晩久しぶりに出会った孫たちは体が燃えるのでしょうか、半袖で短パンでも汗をかいている姿を見ると、やはり新陳代謝の違いでしょうか。
今日は雨だろうと予想しながら雨にも会わず二日間の旅を終えた私ですが、今年の夏も健康に注意して乗り切りたいと思っています。
「今頃に なってストーブ しまうとは テンポずれてる 老域夫婦」
「高くなる 天井知らずの 油代 ストーブ灯油 これから皆無」
「孫たちは 見るから夏と 思うよう 私見るから 真冬のようだ」
「窓の外 モミジの枝葉 涼しげに 夏風揺れて 季節を告げる」