○限界集落を考えるまちづくり講演会
「5月31日の夕方講演をして欲しい」と、久万高原町に住む商工会課長の旧友渡辺浩二さんから電話があり、姪の結婚披露宴がスケジュールに入っているもののバッティングもしないようなので引き受けました。私の車は妻が兄弟姉妹たちを結婚披露宴に運ぶため取り上げられ、変わって姉からミッションタイプの軽乗用車を借りて、三坂峠を登って行きました。最近は砥部町から久万高原町を経て高知に通じる国道33号線は、高速道路を利用するため殆ど通らず、久々の三坂峠越えとなりました。
初夏のことゆえ太陽はまだ西の空に高いものの夕闇迫る九十九折れの道を、妻の注意事項である「気をつけてね」を反芻するように制限速度でゆっくりと登って行きました。結婚披露宴を早くにおいとましたため、時間的な余裕もあってラッシュ時だというのに松山から1時間もかからず6時過ぎに到着しました。最近よくやる旅の途中のプラスワンとして、笛が滝公園と五神太鼓の三島神社を選びました。笛が滝公園は若い頃キャンプに来た記憶があるからです。
10数年ぶりの笛が滝は運動公園として整備され、近所の人が数人ゆっくり散歩を楽しんでいました。池に突き出たウッドデッキの休憩施設は残念ながら老朽化が進んで立ち入り禁止になっていましたが、木を使ったトイレなどの諸施設は木のまちづくりを推奨しているだけあって、これでもかと言わんばかりに整備されていました。
国道を横切り三島神社へ行きました。夕闇迫る三島神社の境内は幻想的で、今にも五神太鼓の荒々しい姿が出てきそうな雰囲気でした。社殿は県指定の文化財らしく立派なもので、境内の二本の杉の大木にも圧倒されました。高台にある神社から見える久万の町並みは、早苗を吹き抜ける風とともに初夏の風を感じさせてくれました。宿場町として栄えた旧街道沿いに久万小学校のモダンな木造建築が見え、思わず足を止めてカメラに収めました。
会場となる産業文化会館に到着したのは開会の20分前でした。既に沢山の人が集まっていましたが、顔馴染みの玉水町長さんも聴講するため見えられていて、商工会の事務所で平岡会長さんとともに談笑させてもらいました。
総会を兼ねているため会場は満席でした。この日のテーマは「限界集落とその対策」というテーマなのですが、私はあいにく見なかったものの、この日テレビで久万高原町の旧柳谷が限界集落をテーマにドキュメンタリー番組として放送されていたこともあって、関心が高く反応は上々でした。田舎の厳しい現実を見つめながらどう生きるか、どう行動するかについてお話しました。
これから日本の田舎は益々厳しくなって行きます。「どうする田舎」です。
①自然本願⇒このまま自然消滅するのを待つ
②自力本願⇒自分たちの力で努力する
③他力本願⇒行政の力を借りる
①不燃人⇒何も感じない・何もしない・何も出来ない
②可燃人⇒少し感じるよう努力する・少し行動する
③自燃人⇒自ら感じる・自ら動く・自ら相手に働きかける
①一人で動く
②この指とまれで動く
③組織を作って動く
④人の力を借りて動く
これからの地域づくりは金と口を出す株式会社でコミュニティビジネスを興すことです。
①不動産屋事業
②村の便利屋事業
③ものづくり・もの売り・もの儲け事業
④観光交流事業
⑤安心安全事業
⑥伝統文化教育事業
「限界と 言われる田舎 再生は 自燃人なる 気概を持って」
「この四、五年 何故か田舎の 灯が消えて 日本もついに ガンに侵され」
「ギブアップ したくはないが 歳とって みんなこのまま 沈没するか」
「強がりを いってはみるが 俺だって 口は元気だ 体動かず」