○珍しいものが届くお歳暮シーズン
冬休みに入って家の書斎にいることが多くなった私ですが、家にいると仕事に行って妻がいないため、座って何かをしようとすると玄関のチャイムに呼び出され、対応処理が終わりやっと座るとまた呼び出され、結構忙しいのです。牛乳代や新聞代の集金、セールスマンの来訪などそれぞれです。この時期最も多いのはやはり郵便局を始め宅配業者が運んでくるお歳暮です。広域広範な人間関係を持っている私の元には珍しいものが飛び込んでくるのです。たった一度の出会いなのに律儀な人がいて地域の特産品というものから自宅の菜園で獲れたものまで種々雑多です。お陰さまで年の暮れは全国美味いもの試食コーナーのような食卓なのです。中には食べ方が分らず送り主に電話お礼のついでに食べ方や調理の仕方を教わるのですが、これがうまくいかず失敗したものもあります。
・赤玉キウイフルーツ
双海町はキウイフルーツの産地です。オーストラリアかニュージーランドが原産地と聞いていますが、20数年前初めて食べたときは髭もじゃでグロテスクな外観とは違い、透き通るような緑色とその甘さに驚いたものでしたが、今は農家からも硬い間にいただき、リンゴを入れて追熟させて食べていますが、最近はゴールドキウイフルーツなどの新品種が登場して、これも農家から先日いただきました。3日前松前町の玉ちゃんファームから赤玉キウイフルーツが届きました。これは新品種らしく愛媛県では西条市でまだ2トンしか収穫されない貴重品だそうです。半分に切ってみましたが中は名前の通り赤味を帯びてまるでイチジクのような姿でした。食べてみましたが糖度が高くとても美味しくいただきました。こうした農産物を販売するとしたら農家たる生産者は普通は農協へ出荷します。量のないものは市場で軽く見られ軽くあしらわれて、一大産地化を目指すのです。でも今日蒔いた種が明日芽が出るようなものと違い、キウイフルーツなどは実がなるのに年数がかかります。結果的に身がなり始めた頃には豊作貧乏という結果を招くのです。少量の希少価値を売る方法はお金持ちに売ることが最適、お金持ちの顧客を持っているデパートなどの外商部をこねにするのが一番、そしてインターネットでビッグなネーミングで販売すると飛びついて売れるのです。「そんなこと常識でしょう」と玉ちゃんに言われそうですが、赤玉キウイフルーツを見て思いました。
・桐箱に入ったイチゴ
その点、昨日徳島県池田町から届いたイチゴは何と何と桐箱に入っていました。年末はケーキの材料としてイチゴが高値です。その高値を更に高値にしているのか「箱入り娘」として登場したイチゴです。何もイチゴを桐の箱に入れなくてもと、ごみ減量を考える人たちからはブーイングなのでしょうが、受け取った側は「ほーっ」と高級感にため息をつくに違いありません。イチゴは今全国に出回っています。イチゴ元々春の果物なのですが人間のエゴで冬の食べ物に変化しました。そんな時代に差別化や区別化をはかりことさら高級感を出すアイディアは見上げたものです。整然と並んだ大粒のイチゴを見て、食べるのは勿体ないような気持ちになりました。早速孫のクリスマスプレゼントに送りました。
・発泡スチロールに入った牡蠣
ノロウイルスの風評被害でかなりのダメージを受け、暗い正月を迎えるであろう牡蠣養殖業者のことを思うと何だか寂しくなります。この頃になると牡蠣が届くのですが今年はそんな世相を繁栄してか牡蠣がさっぱり届きません。ところが先日送られてきました。この方はたった一人の息子さんをシーサイド公園の海で亡くされています。それ以来のお付き合いですが今年も牡蠣を送ってくれました。息子も牡蠣が大好物で殻つきの牡蠣は新鮮でレモンをぎゅっと絞って食べる味は格別です。ノロウイルスなんて病気にもかからず美味しい牡蠣を賞味しました。
・根曲がりネギ
岩手県一関市の五郎ちゃんから珍しい根曲がりネギが送られてきました。鍋物に入れるととろりとろけて美味しいです。私たちの地域のような暖地ではネギは白いところより緑部分を食べる品種が多いのですが、関東や東北では土中深く育った白ネギが主流のようで、所変われば品代わりますね。
・シシャモと昆布と魚類
北海道の友人から今年もシシャモと昆布と魚類が送られてきました。美味しいのですが魚類は海の町でありながら獲れるものが違うので「これ何という魚?」と頭をひねるものまであります。結局は分らず電話しました。その中に秋刀魚の糠づけがありました。電話で食べ方を教わったのですが調理方法を間違え汐抜きが十分でなく多少塩味の聞き過ぎた秋刀魚の煮付けを食べさされました。まあこれも愛嬌とばかりに妻は各地へお返しの特産品を送ったようで、送ったり送られたりの年末の慌しさのようです。
「各地から 歳暮届いて ハンコ押す 師走宅配 またまたチャイム」
「俺にまで 贈り主名 見届けて お礼のハガキ 嬉し恐縮」
「メールにて 歳暮のお礼 書き込んで ちょっぴりこれで いいの?と反省」
「役場辞め 中元歳暮 縁遠い 思っていたのに 未だに沢山」