shin-1さんの日記

○生き方講演会

 今日は今治市立朝倉中学校で開かれた生き方講演会に招かれて久しぶりに旧朝倉村を訪ねました。かつてはまちづくりのお手伝いで何度もこの地を訪ねたため知人友人も多く、ハガキを出そうと立ち寄った朝倉郵便局で局長さんにばったり出会い、今年10月からこの郵便局も民営化の影響で無集配局になるという話を立ち話で聞きました。私が来るというので公民館の藤原さんがわざわざ手土産を持って学校まで訪ねて来てくれました。藤原さんの話だと合併でやることなすこと全てのシステムや人員配置が変わり、何か不完全燃焼気味の雰囲気が読み取れました。昔普及所に勤めていた近藤さんの結婚式をこの村の公民館で行った際私が司会を務めたことを覚えていた近藤さんの奥さんが控え室となった校長室へ訪ねて来て、20年ぶりの再会を果しました。既に5人の子どもに恵まれていましたが、お世話になったご両親は既に他界したとのお話でした。局長さんや藤原さん、それに近藤さんの奥さんにあっただけでも時代の流れの早さや変化に驚きを禁じえませんでした。

 朝倉中学校は村の威信をかけた合併前最後の大仕事として位置づけた清水村長の大英断と聞き及んでいただけあって、木造校舎の立派なのが建っていました。

 校門の中庭や廊下、教室など学校全てがゆったりとして、出会う生徒さんも落ち着いた元気な子どもに見えました。左が校長先生、真ん中の女性が近藤さん、右端が藤原さんですが、どこか旅先のペンションでは?と思わせるような雰囲気でした。

 「青春へのメッセージ」と題した講演は約1時間、中学生への話しなので参加型にしようと三つの質問から入りました。「殆どの人間は三つの願望を持っています。『幸せになりたい』『お金持ちになりたい』『成功したい』という願望です。皆さんにお聞きしますが、『幸せになりたい人』手を上げて下さい。『お金持ちになりたい人』手を上げてください。最後に『成功したい人』手を上げてください」などと促しながら話を進めましたが、みんなメモを取りながら熱心に私の話を聴いてくれました。今日の話はそんなささやかな夢をどう実現させるかという知恵と、ふるさとを愛することの大切に重きを置いて私の人生での出来事をお話しました。中学生に話をするのは非常に難しいのですが、今日は聞き手の真面目な態度にも助けられて比較的落ち着いた話が出来たように思いました。熱心にメモを取る彼らの心に私の言葉が届いたかどうかは知る由もありません。でも壇上での雰囲気では生徒163名、教職員17名、保護者数名のまなざしを見たり、御礼に全員が歌ってくれた体育館いっぱいに響いた大きな声の歌声はその答えだったようにも感じました。

 少子化の波がこんな田舎にもどんどん押し寄せ、学校の教室も空き部屋が目立つようになり、クラスも人数が少なく迫力を感じませんが、いい子どもに育って欲しいものです。

  「司会した 二十年前 懐かしや 今や五人の 立派な子持ちに」

  「学校は 木に交わって 学ぶ書く 木造校舎の ただただ懐かし」

  「旧友と 校長室で 久しぶり 積もる話しに 花を咲かせて」

  「講演の お礼に歌う 中学生 声は大きく 将来楽しみ」 

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shin-1さんの日記

○合歓の花の咲く頃

 いつの間にか季節は夏、気がついて辺りを見渡すとあちこちに夏を告げる花がいっぱい咲いています。夏の代名詞は何といってもひまわりと朝顔でしょう。黄色い花を咲かせて太陽に向かって一生懸命首を振る姿は何とも愛らしく迫力を感じます。最近は生花切花用に小型のものが開発され、昨日も種公民館の壇上を飾って参加者に愛嬌を振りまいていました。ひまわりとともに朝咲いて夕方にはしぼむ朝顔もやはり夏の季題季語にピッタリでしょう。東京では朝顔市などが立っているようですが、子どもたちが理科の実験で朝顔を育てているのをよく見かけます。そのためか家庭にも随分普及して色とりどりの花が花壇や花垣をよじ登る姿は暑さを忘れる涼感です。グラジオラスやダリアなども咲き始め夏は花の一番多い時期なのかもしれません。

 この頃になると野の花の中でも余り話題にならない控え目な花だけど合歓の木に花をいっぱい咲かせて、「見て見て」と言わんばかりに主張をしています。レ点をつければ歓び合うとも読める合歓の木はその気になって見れば意外と多く、その花もピンク系、赤系と様々な色模様をしています。多分自然交配によって花の色が多彩になったのでしょうが、見る人もなく、愛でる人もなくひっそりと咲く花だけに、私は大好きな花になっています。

 合歓の木を一躍有名にしたのは宮城まり子さんだった思いますが、ねむの木学園という名前でした。合歓の木は葉を閉じて眠ることから眠る木が捩ってねむの木といわれるようになったと母親から聞いたことがあります。夕日が沈むと眠る木なんて夕日のまちづくりを進める私にとっては最高の植物です。夕日の駆け出しの頃、合歓の木を沢山植えて夕日とのコラボレーションを考えたほどでした。用材は主にくり抜き火鉢や下駄の歯ににも用いられ、その皮は漢方薬として虫下しや打撲傷に良く効くと教わりました。虫下しも火鉢も打撲傷も下駄の歯も全て遠い昔々の出来事になりつつあり、合歓の木が世に出ることはもうないものと思われますが、せめて花ぐらいは人間の風流として、田舎人のたしなみとして多いに楽しみたいものです。

 先日内子町へ行った帰り、内子と中山の境目付近の国道沿いに合歓の木の大木が2本見事な花をつけていました。夜のことでありましたが、車のヘッドライトに照らされた合歓の木の花は何とも幻想的な姿をしており、思わず減速し振り返ってしまいました。テールライトに照らされて合歓の木もまた味わい深いものがありました。

 合歓の木のように自然に咲く花は派手さや強烈なインパクトはないものの、まるで初恋の思い出のように何時までも淡い余韻を残してくれます。カメラに収めたいと思いつつ今年もその思いは実現していません。「そうだ今日は朝倉中学校へ行くのでカメラ片手に合歓の木散歩としゃれ込みましょうか。

  「合歓の木に 淡いピンクの 花が咲き 今年も夏は いよいよ盛りに」

  「人知れず 咲くから花は 美しい せめて花見る 余裕くらいは」

  「葉を閉じて 夜寝る合歓の木 いとおしい 朝は葉広げ しゃきっと元気」

  「用無しと なってしまった 合歓の木を せめて一本 牧場横に」 


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shin-1さんの日記

○面白い「種」という地名

 宇品まで迎えに来てもらった渡邊修館長さんの車に乗って雨で混雑する広島市内をやっとの思いで脱出し、広島高速・中国自動車道を経由して戸河内から国道191号を走り、中国山脈を越えて益田市へ入りました。島根県で最も西に位置する益田へはこれが一番最短コースらしく毎度の事ながら見慣れた光景をひた走りに走り、約3時間で益田に到着です。かつてきら星セブンとかいう珍しい学社融合シンポジウムで訪ねたことのある三好屋さんにチェックインし、ひとまずひと風呂浴びて軽い休憩をとりました。4階桐の間の窓から見える益田市の風景は石州瓦の茶色を基調にした、落ち着いた佇まいを見せていました。あの有名な日本画家雪舟ゆかりの土地を髣髴する歴史ある街は梅雨に煙ってまるで一服の水墨画を見ているようです。折から降り出した豪雨と呼ぶに相応しい雨は低地にあふれ出て一部冠水するほどの激しさでしたが、明くる日聞くと大雨警報が発令され100ミリを越す大雨だったとか。

 そんな雨の中私のために種地区の主だった人が集まり、田吾作というこれまた田舎を売りにする海鮮料理の店で小宴が催されました。酒の飲めない私にとっては、種の呑み助の勢いは何とも頼もしく多いに盛り上がりました。次々と店の生簀からすくい揚げたイカ・タコ・サザエ・イサキの刺身は新鮮そのもので、魚処日本海を存分に堪能させてもらいました。

 先日人間牧場にやって来た大畑コーディネーターも同席しての話は尽きることなく、2時間を3時間に延長して飲むわ食うわ喋るわの賑やかさです。質問のその都度に箸を安めて話をするのですが、結局は酒の勢いを借りて、出来るだけ早い機会に人間牧場や煙会所へ視察旅行をするとう約束まで結んでしまいました。どちらかというと山陰の気候風土は山陽に比べ気質が暗く感じるものなのですが、種の熟年・実年組は実に元気で日ごろの活動の様子を垣間見ることが出来ました。

 今回の講演会の約束は数年前に遡ります。六日市町で開かれた研修会に参加した女性から一通のお礼のハガキが舞い込んだのです。多分私もそのハガキに返事のハガキを出したのですが、「いつか私たちの種地区にも来てください」という文面だったと記憶しています。

 明くる日は昨日の雨がまったく嘘のように晴れ渡り、「カバンに見覚えがあります」という三好家美人女将さんの手厚い見送りを受け、公民館主事さんの迎えの車に乗って種地区へ入りました。雨上がりの草木や花々は夏の光を浴びて輝き山間の村々はこれまた絵になる光景でした。

 会場となる種公民館の玄関では見覚えのある広畑信恵さんという女性が笑顔で出迎えてくれました。この方がハガキの女性なのです。少々おすまし顔のツーショットを控え室で撮らせてもらいました。

 館長さんと広畑さんが自宅や仲間の畑から早朝貰ってきたというタダの花も、広畑さんの手によって壇上にきれいに活けられ、手作りの看板や垂れ幕がもてなしてくれました。

 9時きっかりに始まった講演会は大爆笑のうちに延々2時間半にも及ぶ大熱演でした。最後の締めはやはりハーモニカで夕焼け小焼けや赤トンボ、それにああ上野駅、南国土佐を後にしての4曲でしたが、感極まったのか数人の女性が目頭を抑え、特にある女性は真赤に潤ませた目頭をハンカチで押さえていました。ハーモニカの音色でこんなに感激してもらったのは勿論初めてなので、こちらも思わず涙がちょっぴりでした。この日は広域消防の防災訓練と重なったため男性の出席が少し少なかったようですが、それでも100人近くの人が集まり大盛況で、館長さんの胸は何時になく張っていました。

 会終了後控え室に昔出会った女性が訪ねてきたり、せがまれて数枚の色紙に言葉を書いたりしましたが、先を急いだため早々に送りの車の人となり、浜田道路をひた走り無事宇品港へと帰って来ました。

  「下ネタと 間違いそうな 下種を 笑い飛ばして 村に入りぬ」

  「ゴザ広げ まるで演劇 見てるよう 田舎長閑けき 初夏の一日」

  「ひまわりの 花もタダとは ただただに 驚きました 笑顔の花も」

  「通知表 音楽2だった 腕前も 今では5になる 努力の成果」

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