shin-1さんの日記

○こんなに長い新聞取材初めて

 昨日は熊本日々新聞社の編集委員で論説委員の平野さんが遠路はるばる熊本から取材にやって来ました。論説委員といえば新聞社では社説を書いたりコラムを書いたりする新聞社では偉い人なのです。平野さんに始めて会ったのは、先月人間牧場で開かれた逆手塾でした。フラワーデザイナーの仕事をしている奥様とご一緒での参加でしたが、坂手塾では女性の方が好きな私としてはどちらかというと気があった奥様との話が弾んでしまいました。その後音信が始まり私の自著を読んだりして今日の取材となった訳です。平野さんは口に鼻髭をたくわえ色白の見るからに博学なお方でした。

 何でも「人間げんき紀行」という連載ものの取材らしく、そのシリーズで人間牧場と私を取り上げようと言うのです。取材依頼のファックスには「日曜日の午後と月曜日の午前中くっつきたい」とのことでした。普通だとこの種の取材は1~2時間ですが、何という念の入れようでしょう。

 約束どおり午前11時にシーサイド公園に到着の第一報あり、身支度を整え待ち合わせ場所へ直行しました。取材には天候が気になりましたが、平野さんの人徳なのか朝の激しい雨もあがり薄日さえ差してきたのです。月曜日は所用があって取材に応じられない旨の話をしていたので、翠小学校、海舟館、煙会所、夕観所、下灘駅を通りすがりに取材していよいよ急で細い人間牧場名物の池久保道路を平野さんの恐ろしさを尻目に登って行きました。

 それから水平線の家の窓を開けっ放しにして延々夕方6時まで、彼の質問に応じる形でずっと喋り続けました。横目で見る取材ノートに符号のような文字がどんどん増えて行くのが見えました。途中で従兄弟の若松利光に貰った鯛めしとハモの湯晒しを食べながらの取材も入り、凄い濃密な話となりました。私は少し疲れて背もたれ椅子に横になりながらでしたが、平野さんの取材攻撃は一向に止む気配はないのです。

 昨日の人間牧場からの眺めは雨上がりのせいか遠望が開け、平野さんも時折取材の手を休めて写真撮影するほどきれいな180度の視界で、島々は全部くっきりと見えましたし、夕方になると西の空が金色に輝きまさに絵になる光景でした。平野さんは6月の逆手塾で夕景の素晴らしさに出会っているので、また一味違った今日の風景も素晴らしいと絶賛です。

 最近の新聞取材は「お茶を濁す」という表現がピッタリのように、僅かな取材時間で分ったような記事を書く人が多く、ひどい人は資料や写真をパソコンで送らせ、現地に足を運ぶことさえしない人も多いのですが、平野さんの取材はまるで週刊誌まがいの微細な取材でした。

 夕闇迫る午後7時、取材を終えシーサイド公園で分かれましたが8時間の取材は心地よい余韻を残しました。家へ帰るなり妻が、夕食の時間になっても帰らぬ夫に少々いらだちながら「取材が何でそんなに時間がかかるの」と不思議そうに問い詰めました。細かい言い訳など必要ないと無視しましたが、たまの日曜日だった妻にしてみれば少々悔いが残る一日だったのでしょう。

  「熊本の 新聞記者が やって来た 日がな一日 話すことあり」

  「雨予測 当てが外れて 上天気 運のいい人 ノートカメラに」

  「一ページ 書くのに 何と八時間 聞くも話すも それは大変」

  「記者よりも 奥さん気になる 浮気者 奥さんもまた 俺が気になる」 

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