○ナンバーワンかオンリーワンか
かつて高度成長の日本では様々なナンバーワンが登場し、少しでも大きく、少しでも太いものが持てはやされていました。後の首相になった細川熊本県知事が「何でも日本一」を掲げて各市町村を競わせたのがつい昨日のことのように思い出されます。
今日訪れた山口県美川町にもかつては日本一といわれた直径10メートルを越す大きな水車があり、山水を称えながら長閑に動いてそば粉を挽いているのを見ました。島根県出身の竹下登首相が全国一律にふるさと創生1億円をばらまいたお金の一部で作ったそうですが、その後全国各地に似たような水車がお目見えし1センチ、5センチと訳も分からぬ競争を繰り返してナンバーワン、ベストワンに敗れたのだそうです。よくよく考えてみると、地方出身でありながら東京に移り住んだ細川さんや竹下さんは政治家としては頂点を極めたのですから立派な人に違いはありません。しかし本当に田舎のことを思えばこんなことをしなかったのではと批判したりするのです。昼食を別の店で食べたものですから願いがかないませんでしたが、今度は是非水車で挽いたそば粉のそばを食べてみたいものです。
美川町にもう一つ素晴らしい日本一を見つけました。昔の坑道後を利用した地底王国「ムーバレー」の地底探検コースです。前兆キロメートルに及ぶ坑内はアドベンチャーモノリスの謎に迫る面白い物語が数多く用意され、総支配人のご配慮ある案内で見学して回りましたが、凄い仕掛けとお見受けしました。私が感心したのは地底奥深くの洞穴の壮大さと湖に映る幻想的な風景、それに音を立て流れる滝の様子でした。修学旅行でも誘致したら女子学生がキャーキャーいう程の内容です。但し私だったらというアイディアも閃きましたので、後日お話したいと思います。日本全国にはわが愛媛県新居浜マイントピア別子を含め鉱山跡を利用した観光施設は沢山ありますが、いいコーディネートが出来ているように思いました。
美川ムーバレーは水車のようなナンバーワンにはしたくなく、オンリーワンを貫いて欲しいと願っていますが、いかんせんここ2年ほどは度重なる水害や災害の影響で客足が遠のき、経営が苦しいとのご意見でした。でも今日は日曜日だった成果そこそこ人が来ており、坑内の温度が年中一定の16度に保たれている自然の恵みを考えて、ワインの日本一貯蔵熟成庫にしたり、タングステンの鉱脈で文字を書いたり、様々な地底イベントをパロディ王国に仕込み情報発信すれば人気急上昇すること請け合いです。おっと変なアイディアを口を滑らせてしまいました。失言です。
「人は皆太いか深いか目指すもの太い水車も地底深くも」
「俺なればあれもこれもと知恵浮かぶやるかやらぬで未来は決まる」
「切取った高い崖でもクライマー見ればあそこにチャレンジするぞ」
「地獄だと思っていたら底は夢次から次へ古代の歴史が」