〇技術革新のはざまでどう生きるか
ある技術をアメリカ人の25%以上が使うようになった時、その技術が「普及」したとみなすことにして、様々な技術の発明の年からそれが普及するまでの年数を調べた年数があります。1880年に発明された電話はおおよそ35年かかったそうです。1900年に発明されたラジオは20年、1930年発明のテレビは16年のようです。
パソコンや携帯電話の発明は80年代後半でしたが普及までの時間はわずか10年少々で、90年代に出てきたインターネットは僅か6年で普及しました。電話やラジオ、テレビ、パソコン、インターネットは今の社会では常識化していますが、どんな技術もある面で人間にとって限りない恩恵をもたらすからこそ発明されるのですが、そこには思っても見なかった負の面や悪い面もあるようです。
人間同士のコミュニケーションとは、古来より取り交わされた内容の意味に基づいて自分の行動や考え方や社会関係を変えるという行為だと言われています。しかし人のコミュニケーションでは有用な事実に関する情報だけでなく嘘も多いことを忘れてはなりません。顔の見えないことに乗じて騙したり騙されたりすることが何と多いことでしょう。
最近の情報技術の進歩進展はテキストやメッセージ、画像の送信という点では優れたモノになってきていますが、人のコミュニケーション行動の全体像を残念ながら視野に入れていないようです。そんな中子どもが使っているアナログな教科書をデジタル化しようとしているようで、「小さな子どもにとってコミュニケーションとは何か」を考えた時、もっと議論する必要あるような気がしてなりません。人間の知能を人工知能AIが超えるような勢いの時代だからこそ、コミニケションの真の意味を考え直さなければならないようです。