人間牧場

〇立小便や野糞
 臭くて不潔な話ですが、私たちが小さい頃は野山をフィールドに遊んでいました。ゆえに野山へ出かけた時などは近くにトイレもないので、そこら辺の草むらで小便や大便をして、紙を持っていない時などは大きな葉っぱを見つけて使っていました。下品で不潔で恥ずかしい行為でした。

 先日子どもたちが子ども体験塾で下灘コミセンを出発し山道を約40~50分歩いて人間牧場までやってくる途中、低学年の子どもが急に小便がしたくなりました。先導としているスタッフが、「そこら辺にするよう」勧めたものの、人前で立小便などしたことがなく恥ずかしくてできないと思い、我慢して歩き続けたものの、結果的にはお漏らしをしてしまいました。

 立ち小便よりお漏らしの方がはるかに気持ちが悪いし恥ずかしいのに、立小便などしない、出来ない今の子どもたちは少し可哀想な気もしました。昔日本の江戸の街は下水道も上水道もできていないのに世界中で一番美しいと言われていました。人間の汚物を下水道で流す習慣のあった外国と違い、日本は汚物を便所槽に溜め、それらは農業用の肥料として使っていました。

 今でいう循環型の生活でしょうが、能登半島地震で被災した人たちが今なお苦労を強いられているのは水が使えず当然水洗トイレも使えないという現状です。そんなに遠くない私が子どもの頃は、学校の便槽の汚物は自分たちがコエタゴを担ぎ実習田に撒いていた、今の人には信じ難いことをやっていました。時代は変わりこれからも変わることでしょうが、考えさせられる一場面でした。

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