〇可哀そうな窓に激突したメジロ
このところの陽気に誘われて、庭に咲いた梅や山茶花の花には蜜を吸うため、メジロやその他の野鳥がやって来て、忙しそうに木々の間をくぐりながら遊んでいます。私たちのダイニングからは裏庭のそんな様子が手に取るように見え、居ながらにして野鳥観察ができこの上ない幸せです。
ところが3日前、その中の一匹のメジロが、隠居家の縁側の縁台に横になって虫の息ならぬ鳥の息で倒れているのを見つけました。これまでにも何度か目にしている光景なので、大方の予想では透明のガラス戸に映る景色を外と勘違いして激突したようでした。息子が見つけ孫たちも心配そうに見ていましたが、そっと見守り続けていたものの、死んでしまいました。
メジロはその名の通り、目の周りが白いので、いつまでも目を回したようにみえましたが、こんな時はいつも土に埋めて葬るので、畑の隅に穴を掘って埋めてやりました。メジロのうぐいす色の羽根は何とも美しい姿でした。鳥の世界も人間と同じのようで、つがいと思われるもう一匹のメジロは死を悼むのか、その場を離れようとしませんでした。
前の日私が、隠居の掃き出し窓を綺麗に拭き掃除し、中の障子戸を開けたままにしていたため、どうやらメジロは透明のガラス戸の向こうに自然の空間があるものと勘違いしたようなのです。仕方のないことでしょうが、多少心が痛みました。
「このところ 陽気誘われ 野鳥たち 梅や山茶花 蜜吸いに来る」
「ダイニング 窓越し見える 裏庭の 野鳥見ながら 食事贅沢」
「前の日に 隠居のガラス 窓拭いた 野鳥激突 死んでしまった」
「畑隅 穴掘りメジロ 埋めてやる つがい一匹 悲しそう鳴く」