〇花の命は短くて・・・
ご存じ林芙美子の小説に「花の命は短くて、苦しきことのみ大かりき」と言う言葉が書かれています。咲いて散るはかない花の命を短い人生に例えた言葉でしょうが、今年は特にその言葉を実感しています。
去年の秋近所に住むおばさんに、剪定を終わった芙蓉の小枝を何本かいただき、プランターに挿し木をしました。運よく10㎝ほどの挿し枝20本は全て活着し、植え替えて定植した路地植えも植木鉢植えたものも活着し、このところ朝になると目の覚めるような真っ赤な大輪の花を咲かせてくれています。
ところがこの花は、「花の命は短くて・・・」の言葉通り、朝咲いても夕方にはまるで夏の太陽が西の彼方に夕日となって沈むように萎んで、ついには地上に落ちてしまうのです。この花の姿を見て、人生を語ったり仏教の教えを思い出すほど博学ではありませんが、盛りを過ぎた自分の人生に重ねながら、このところ毎朝毎夕花を眺め感傷にふけっています。
芙蓉の葉っぱは美味しいのか、時々ガの幼虫と思われる毛虫や青虫が止まり、気がつかずほおっておくとまるで網目のように食い荒らしてしまうので、毎朝見回って捕獲処分しています。今年のわが家の庭は真赤な芙蓉と黄色いヒマワリで、いつになく華やいでいて、新型コロナウイルスの影響で沈みがちな心を癒してくれています。
「赤芙蓉 今年初めて 咲きました 見事な花に 心癒され」
「この花の 寿命はたった 一日で 咲いて萎んで はかなく終わる」
「わが人生 花に例えりゃ 夕方の 萎んで間もなく 散る時期だろう」
「今年は 冬ヒマワリ 家周り 花に囲まれ 暑さ忘れる」