〇野草を食べる
春になると野山に山菜と称する色々な食べ物が見え隠れします。ウドやワラビやゼンマイ、ツクシなど、田舎に住んでいるとその気になれば、自然の恵みをタダで採集して食べることができるのです。何年か前ワラビやゼンマイなどの山菜に含まれる苦み(灰汁)に発がん性があると報じられてから少しためらったものの、一年中食べる訳でもないのでと開き直って、特にツワブキやヤマブキは家の周りや人間牧場の敷地内に植えた訳でもないのに自然に生えていて、誰はばかることもなく採集できることから、結構食べています。
この時期になると、綿帽子を被ったツワブキの新芽が出てきます。三日前来客を案内して人間牧場を案内した折、そこここに生えているツワブキを引き抜いて持ち帰りました。ツワブキは美味しいのですが、一番の難点は皮が剥きにくいのと、灰汁が強くて灰汁が手に着くと指先が抹茶色になることです。日に当ててツワブキがシンナリれば幾分剥き易いので、昨日は日当たりのよい隠居の縁側に座って剥きました。ボールに水を張り剥いたツワブキを次々と入れる、瞬く間に灰汁が出て、水がまっ茶色になりました。薄手の使い捨てビニール手袋を両手にはめて作業をしましたが、それでも灰汁が浸透して手を茶色に汚しました。
水で灰汁を抜いたツワブキは茹ではえて、メバルやハギなどの魚と一緒に煮つけると、これはもう絶品の山菜料理となるのです。今夜あたり妻が作ってくれるようで楽しみにしています。ヤマブキも新葉を出し始めましたが、ヤマブキはもう少し大きくなったら引き抜いて、佃煮にして食べます。人間牧場の梅林には半日日陰の条件が好きなヤマブキが次第にその勢力を伸ばして、草刈りもできないほどはびこっています。ヤマブキはお裾分けしてあげると喜ばれるので、例年通り今年もそのつもりで手ぐすねを引いています。
「牧場の あちこち生えた ツワブキを 採ったはいいが 皮剥ぐ難敵」
「山菜を 食べるとガンに なるという いつしか忘れ 味を楽しむ」
「子ども頃 ツワブキ嫌い だったのに いつの間にやら 好物なりて」
「ツワブキは 漢字で書くと 石蕗と 何で書くのか それも知らずに」