〇マシン油散布
私たちの地方では、農薬散布のことを「消毒」と言います。子どものころから「消毒」という言葉や作業を見聞きする度に、食べ物に農薬をかけるのに何で「消毒なのだろう?」と思っていました。農薬は食物に群がる害虫を駆除したり病気を予防回復させますが、農薬は人体に悪いものが殆どで、害虫や病気は農薬をかけるとだんだん農薬に馴れて効かなくなり、より強い農薬を使う悪循環を繰る返すのです。
せめて自分が食べる野菜や柑橘くらいは無農薬で作りたいと、自分が家庭菜園で野菜を作るようになって思い始め、どんどん有機肥料を入れて土作りに力を入れていますが、お蔭様にてこの5年間多少虫に食われながらも無農薬で野菜を作れるようになりました。しかし野菜は別として柑橘系は無農薬では中々思うに任せず、害虫や病気に強い甘夏柑主体のため、せめて人体に害のないマシン油をだけでも散布しようと思い立ちました。
わが家には親父が使っていた消毒用の動噴がありますが、もう30年前のもので、修理のため先日近くの農機具屋に持ち込んみましたが、部品がないので修理不可能のレッテルを貼られてしまいました。妻と相談した結果小さい動噴を8万円もかけて購入し、元の動噴台に取り付けてもらいました。出来上がった動噴は中々のものですが、ハウス建てに来ていた農材スーパーの大将に、マシン油を一缶持って来てもらい、準備を進めていました。
昨日は無風の上上天気だったので、午後から急に思いつきホースを伸ばしてマシン油を一石タンクに水を張り、30倍に希薄して散布しました。ホースを引っ張る人もおらず自分ひとりでの散布は、雨合羽をきていたこともあって、すっかり大汗をかいてしまいましたが、準備から柑橘や庭木への散布、後片づけを含め、3時間ほどで作業を終えました。はてさてどんな効果があるのか、不安と期待が入り混じっていますが、農作業や庭木の手入れは中々手間が入る仕事で、今更ながら亡くなった親父の苦労が偲ばれてなりません。やっと冬送り、春迎えの準備が整ったようで一安心です。
「柑橘や 庭木についた 病害虫 マシン油を 散布し退治」
「動噴が 直って戻り 早速に 一人で散布 中々骨が」
「水2石 マシン油を 30倍 薄めて散布 カッパずぶ濡れ」
「冬送り やっと終って 春迎え 色々仕事 亡き親思う」