〇代替わり
私は昭和19年生まれの69歳、息子は昭和48年生まれの41歳です。私は今年誕生日が来ればいよいよ70歳の大台、息子も男の厄年を迎えるいわば大台です。3年前親子の相談がまとまり長男家族と同居を始めましたが、同居生活やこの町での暮らしにもすっかり慣れてきたので、そろそろ代替わりをしようと相談し、来年度からわが家に回ってくる組長という役職を息子夫婦がする相談をしました。少し抵抗すると思いきや息子夫婦は覚悟していたのか、すんなりむしろ喜んで引き受けてくれました。私が親から代替わりしたのは結婚して間もない28歳でしたから、私たちからすると13年も遅いデビューです。
昔の代替わりは親が子どもに家督を譲って隠居するという意味がありました。今はそんな意味合いも薄れ、それぞれが財布を持って暮らしているため形だけのようで、家の決定権全てはまだまだといったところです。ゆえに冠婚葬祭の付き合いも費用も当分の間は親である私たちが関わりますが、徐々に息子たちの出番を増やして行こうと思っています。
昨夜は組長の新旧引継ぎ会があって、息子は五色姫復活祭の準備があって出かけたため、若嫁が代理で出席しました。孫が嘔吐下痢になって二階で隔離のようにされていましたが、2人の孫を置いて、私たち夫婦に頼み出かけたようでした。これから一年、組費の徴収やお祭りの神輿担ぎなど、色々と組長としての仕事が待っているようです。
わが家の決定権はまだ私たち夫婦にあるようです。幾つもの苦労を重ねてきた私たち夫婦から見れば息子たち夫婦は、まだまだ未熟者に見えます。でも老域に達した私たちが一歩二歩手や足を引かなければ、息子たち夫婦の出番はなく成長も見込めません。俺が俺が、まだまだと思う心を少し差し控え、徐々に息子たち夫婦に軸足を置き換えるよう、今年から性根を据えようと思っています。気がつけば私たちももう老域です。昔ならとっくに隠居生活です。今は少ないといいながら年金もあり、息子たちに頼らなくても生きてゆける時代ゆえに、息子たちの自立を遅らせていることも事実です。長年世帯主となってきましたが、いよいよ世帯主の名前を替える時が近づいてきたようです。
「40年 前に親父と 代替わり いろいろあった いよいよ息子」
「昔なら とっくに隠居 する歳に なったけれども 若いつもりで」
「年金で 息子頼らず 生きるから ゆえに息子の 自立を阻害」
「今年より 息子の名前 第一で 私は隠居 金魚の糞だ」