〇大根の首切り
動植物は気温や太陽が昇ったり、沈んだりする時間によってその営みを変化させます。私たち人間も気温の低い厳寒の今頃は、日没も夜明けも遅いので、夏に比べ睡眠の時間が多いようですが、植物たちはさすがに季節に敏感で、事の他寒かった今年の年末年始から一転し、このところの春の到来を思わせるような温かさで一気に目覚めたのか、目覚めの早い植物である畑のブルーベリーなどは、頻繁に降る早春の雨を一杯吸い込んで、新芽を大きく膨らませているのです。
私たちの地方では、「伊予路に春を呼ぶのは椿さん」と言われていて、その椿神社の祭礼はまだ10日もしないと来ないため、もう2~3は回厳しいい寒波がやって来るだろうと思っていますが、閏住の菜の花は水仙からバトンタッチをされたように、黄色い花を咲かせ始めているようです。
畑の冬野菜もそろそろ終わりに近づき、家庭菜園のあちこちでは、引き抜かれた野菜の跡がまるで歯抜けのようになって、少し見苦しく感じています。今年は冬野菜が大豊作で、特に白菜と春菊、高菜などは毎日の食卓が野菜を使った妻の手料理で埋め尽くされ、堪能するほど食べました。お陰で元気モリモリといった感じがするのです。
今年は大根が大活躍の冬でした。妻は沢庵を3度にわたって漬け込み、今は2回目の沢庵を食べていますが、3度目に漬けた沢庵も順調に水揚げができたようで、その出来具合を楽しみにしています。妻は近所の人に教わった大根の浅漬けに凝っていて、真っ白い短冊切りの大根にユズと鷹の爪を入れて作った浅漬けはお茶請けとしても、かなりの存在感を見せています。大根の白、ユズの黄色、鷹の爪の赤が見事なほど美しく感じられ、食欲をそそるのです。
その畑の大根にそろそろ異変が起ころうとしています。種保存の原理でこのままほおって置くと、トウが立って花を咲かせて食べれなくなるのです。早速今日にでも大根の首切りを始めなければなりません。首切りといえば何か縁起が悪いような感じがしますが、これも大切な春の仕事なのです。大根を引きぬかず、みどりの葉っぱを切り取るのです。こうすれば4月頃まで瑞々しいままの大根を食べることができるのです。
大根はおでんに似たり、漬物にしたり、切り干し大根にしたりと、脇役ながら食卓には欠かせない野菜で、最近凝っている大根サラダやすり大根として、生のままでも美味しく食べられますが、冬野菜の旬も大根の首切りで終わりに近づいてきました。畑のハコベ草も日に日に緑を増して、いよいよ春の到来です。冬の寒さが厳しかった分、春を待つ気持ちが強くなってきました。♯春よ来い、早く来い♭・・・・。♭もうすぐ春ですね、ちょっと気取ってみませんか♯・・・・・・ですね。
「縁起でも ないと言われつ 大根の 首切り揃え 畑仲良く」
「三度目の 沢庵漬けて お茶漬けが 楽しみ俺も かなり歳だな」
「植物は 夜昼長さ 知っていて 春来る準備 早くも始め」
「この時期が 来れば早くも 畑仕事 頭の中で 予定を立てる」