○下灘駅の快挙
思い返せば27年前ですから、もう四半世紀も前の出来事でした。いつとはなしにアマチュアカメラマンの間で「日本で一番海に近い駅」という名前が、噂話程度あった下灘駅のプラットホームを舞台にして、夕焼けプラットホームコンサートを思いつきました。フーテンの寅さんシリーズ「寅次郎と殿様」の映画ロケ地としてワンカットシーンに登場していたものの、まだ当時はそれ程知名度は高くありませんでしたが、約千人を集めたコンサートはテレビで取り上げられたこともあり、下灘駅はバックに沈む夕日と共に一気にスターダムに上ったのです。その後夕焼けプラットホームコンサートは多くの心ある人たちに受け継がれ、紆余曲折や様々な話題を提供しながら今日まで続いているのです。その間、青春18キップのキャンペーンポスターに3度も取り上げられ、今では日本全国行きたい駅の常連として名を連ね、何もない無人駅ながら多くの若者たちが訪ねてくれているのです。
この駅に来る人たちの心を慰めようと、地元の人も清掃や生け花、掲示板、落書き帳設置などを通して惜しみない支援をしてくれ、また最近はノジ菊やコスモス等を植栽し癒される駅となっているばかりでなく、演劇やシンポジウムフォーラムなどの交流イベントを次々に企画実施し、下灘駅そのものをフィールドミュージアムにしようと運営委員会が立ち上がり頑張ってくれているのです。
その功績が認められて、下灘駅フィールドミュージアム運営委員会がこのほど、第7回JTB交流文化賞を、また美化活動に貢献した伊予農業高校が環境大臣表彰をそれぞれダブル受賞しました。草創期にいささかなりとも下灘駅にかかわった私としてこの快挙はこの上ない喜びであり、これからの発展を期待しているところです。
「シグナルを 出す人なけりゃ 続かない 黒子に感謝 次は何する」
「表彰を 素直に喜び おめでとう メール次々 嬉しいですね」