○いっぷく亭にて
伊予市の中心市街地灘町に、「いっぷく亭」という立ち寄り集会所があります。軒を並べた集会所界隈の商店街はかつて多くの買い物客で賑わったそうですが、色々な活性化の試みはするもののご多分にもれず、今は少し閑散として寂しい感じの否めない商店街なのです。
この商店街を守っている商業協同組合の徳本理事長さんは造り酒屋の社長さんで、合併前の旧伊予市、旧双海町の時代ひょんなことから知り合いとなり、お互い何かにつけて付かず離れずの関係を保っていますが、徳本さんの周りには本屋、肉屋、写真館などの比較的若い大将が集まり、色々と知恵を絞って活動しているようです。その際たるものは県下のトップを切って行なわれる土曜夜市や五色姫復活祭、ひな祭り、住吉祭りなどですが、伊予駅前に道の駅的な交流拠点「町家」を造り運営も手掛けているのです。
徳本さんは研究熱心な博学な方で、本来市役所がやらねばならない限界集落問題や、移住促進等にも目を向けて勉強会を立ち上げ、全国の先進地へ視察に行くなどしていますし、空き店舗を利用した「いっぷく亭」という立ち寄り集会所を造り、谷岡さんたちとワイワイガヤガヤやっています。私も何度か徳本さんに誘われて「いっぷく亭」でお話したことがありますが、昨日はその「いっぷく亭」でまちづくり講演会をして欲しいと頼まれ出かけました。昨日は朝から北西の季節風が吹き荒れ、時折みぞれ交じりのしぐれも降るあいにくの天候でしたが、狭いながらも用意したパイプ椅子が満席になるほど、沢山の方に集まっていただき、午後1時30分から一時間半に渡って私の四方山話を聞いてもらいました。
私も色々な所へお話に行きますが、昨日のような額と膝をつき合わせるおばちゃん相手の講演会は大好きで反応も上々、時間を短く感じるほど大いに盛り上がりました。玄関先の窓越しからは行き交う通行人が見え、その通行人も講演会場内の楽しそうな雰囲気を珍しそうに覗き見しながら通り過ぎていました。
講演終了後は谷岡さんの指図で意見交換が行なわれ、前回話した私の話に触発されて「ハガキを書くようになった」とか、「今日の話で自分にも何か出来そうな予感がした」などの意見が寄せられました。合併し新生伊予市が誕生してから早くも7年が終ろうとしています。集まった人に手を挙げてもらったところ、約半数もの人が私の顔を知っているのですから驚きです。徳本さんから昨日の講演会の手応えがいいようなので、来年度は春・夏・秋・冬と都合4回講演して欲しいと、昨晩お礼の電話と共にオファーがかかりました。私のような何ら値打ちのない人間にも、声をかけてくれるのですから、有難いと思い快く承諾しました。
「合併はひとつもいいことはない」という言葉を巷のあちこちで耳にします。しかしもう後戻りできないのですから、一人ひとりの市民が合併したまちをいかにいいものにして行くか考え、行動しなければならないのです。私は合併したお陰で、伊予市の徳本さんや門田さんなどと一緒の市民になり得をしたと思っています。これからもたくさんの市民と知り合いになり、いい市民になるよう努力したいと思っています。
「いっぷく亭 外は大荒れ 風吹くが 中は和やか 楽し雰囲気」
「嬉しいね 寒いながらも 集まって くれる人あり まくりて話す」
「話し聞き ハガキ始めた 言う主婦や 元気貰った 声が寄せられ」
「面白き こともなき世と 言うけれど 考え一つ 面白くなる」