○孫が発見、茶褐色のアマガエル
「おじいちゃん大発見、早く来て」と朝の散歩から帰った孫がけたたましい声で私を呼ぶのです。「どうした」と誘われるままに玄関先から外へ出てみました。孫の指さす方向はわが家の長い塀の中ほどでした。指さす方の塀に一匹カエルがくっついているのです。「えっ、桜も咲かないのに早くもカエルが?」と目を疑いましたが、カエルは冬眠から覚めたようなのんびりした動きで、周囲の騒ぎを察知しながらも悠然と直立の塀を登っていました。
松山に住む孫は来月には小学校に入学するのですが、只今のところ虫類に興味があって、卒園も終え「春休みになったので遊びに来ないか」と誘いました。孫は電話の向こうで開口一番「おじいちゃんどんな虫がいる?」と、どうやら双海へ来るのは虫に出会いたいからだと分かりました。「今はまだ冬だから虫はまだ出てこない」といえば、「幼稚園の先生がもうすぐ春だと言っていた」と食い下がるのです。「何か見つかるかも知れない」とお茶を濁しましたが、はてさて戸外へ出ても長著も飛んでいないし困ったことだと思っていました。
昨日は偶然にも高知県の木下一家がやって来て動物のことなどすっかり忘れて遊びに講じていましたが、今朝は少し興奮して帰るとの面会と相成りました。このころのアマガエルはこのところの陽気に誘われて土中から出てきたばかりでまだ茶褐色の体をしています。4月下旬になると葉っぱの色と同じ保護色となって河いいのですが、少しグロテスクな体をしていました。
孫にせがまれデジタルカメラを取り出し、自分で写真を撮りたいというのでカメラを渡しました。何枚か撮影したようでしたが、いつも手元がぶれるので、殆どがピンボケ状態でした。ズームアップした一枚が何とか使えそうなのでパソコン画面に取り込みました。孫は今年から小学一年生になるのでデジタルカメラをお父さんから貰って、動物図鑑を作るのだと張り切っています。親の手助けがなければできないのでしょうが、やる気でけは満々なので、これからこまめに小動物に出会わせてストックさせたいと思っています。実はこれが第一枚目ではなく昨年の秋に人間牧場で団子虫を自分で撮影しているのです。これもピンボケの中の一枚をストックしているので、合計2枚になりました。青虫や毛虫、ナナホシテントウムシ、オタマジャクシなども撮るのだと張り切っているようですが、はてさて子どものたわごとですのでどうなることやら・・・・・。
わが地方では作夜来から南西の風が強まり、安眠を妨げるような強風が吹きました。今日の天気予報は雨だったので昨日の夕方、急な思いつきで親父と里芋の植え付けをしました。耕していたため草こそありませんでしたが、冬の間に固くなっていたので鍬で掘り起こし親父が耕運機をかけて土をほぐしてくれました。そこに穴を掘り苗屋さんで買った里芋の早生と遅手の2種類を植えました。親父は相変わらず几帳面で、糸を引っ張り一直線にお植えて行くのです。お陰で夕方6時から開かれる予定だった天一稲荷神社の会計監査を10分も送れる大失態を演じてしまいました。
私の暮らしもまだ冬のバイオリズムのままで動きが鈍いようですが、91歳になる親父は今年の冬を元気で乗り越え早くもエンジン全開で、昨日は7キロ離れた診療所へ自転車で通院するなどエンジン全開のようです。
お昼頃、西予市の観音水でアマゴの養殖をしている佐藤さんから私の体を気遣う有難い電話をいただきました。電話によるとあれ程元気だった佐藤さんは糖尿病でえらい目に遭ったそうです。今年70歳になる佐藤さんはある雑誌で私の近影写真を見たそうです。昔の私を知っている佐藤さんは私のげっそり痩せた姿を見てただ事ではないと直感し電話をくれたのです。お互いいい歳になったことと無理をしないようにと確認しながら電話を切りました。年齢的にはわたしもそろそろ冬ごもりの年代ですが、91歳の親父や6歳の孫にあやかり、もう少し元気を回復して春を謳歌したいと思いました。~痩せ蛙負けるな一茶ここにあり~ならぬ、~痩せ蛙 負けるな進一ここにあり~で生きて行きましょう。
「冬ごもり 目ざめのカエル のんびりと 塀にとまって 春寝楽しむ」
「おじいちゃん 発見したと 大声で 私に見せる カエルの昼寝」
「春が来た カエル目ざめど わが体 未だ冬まま 気合を入れて」
「あり難や 自分の身より 友のこと 案じて電話 思わずジーンと」