○生まれて初めて飲酒運転検知の風船を膨らませました
「あら嫌だ。あると思っていた小豆が切れちゃっている。お父さん買ってきてくれない」と、今夜8時に妻が仕事から帰っての弁です。「なんだ、こんなに夜遅くになって」といいながら、夕食の準備のある妻を見かねてしぶしぶ買いに行くことにしました。田舎ゆえの不便さか、小豆を買いにわざわざ伊予市まで行かなければならないのです。車の免許証を持ち、行儀が悪いと思いつつもアンパンを食べながら重要さに乗り込みシートベルトをして出かけました。
ものの500メートルも走ったでしょうか、信号の手前の伊予銀行上灘支店辺りで何やら車が止まっていました。見ると警察官が一台一台車を止めて検問しているのです。そのうち私の車の近くへやってきて、「すみません。飲酒運転の検問中ですがご協力ください。はい大きく息をしてみてください」でした。私はまだ口の中にあるアンパンを飲みこみ息を吹きかけたのです。「ご主人さん、ちょっと降りてください」とパトカーまで連れて行かれました。そして「お酒は飲んでいませんか?」と再び聞かれました。「私は酒を止めてもう10年近くになります。今日ももちろん飲んでいません」というと、「すみませんが風船を膨らませてみてください」としつこく言われました。私の言うことがそんなに信用できないのですか」と言おうとしましたが、この顔ですから嘘をついていると思われたくないので、「いいですよ」と素直に応じ、生まれて初めて飲酒運転検知用風船を膨らませました。その警官は「お酒を飲んでいない方は00が出ますから少々待って下さい」と検査を始めました。そのうち検査の結果が表示され私の数字的結果は00でした」相手の警察官はこれで成績を上げようと思ったのでしょうが、残念ながら私の疑いは機械によって晴れたのです。「お手間を撮らせて済みませんでした。これも仕事なのでご理解ください」と丁重なお詫びの言葉をいただきました。
その間何台かの町内の車が止められては通り過ぎて行きましたが、その都度私が飲酒運転で捕まったと思ったのでしょうか、かわいそうにという目で見られてしまいました。中には顔見知りもいて「進ちゃん捕まったのか」と声をかけて通り過ぎる人もいました。多分今頃はどこかで、「伊予銀行の前で検問をしている」「若松の進ちゃんが捕まっていた」などと悪い噂が立ち、明日の朝には電話がかかるに違いないのです。田舎は良いにつけ悪しきにつけこのように噂が広まって行くのです。
私はまだ夕食も食べていないのに、えらい手間取ってバリューで妻の注文の小豆を二袋買って帰りました。家に帰るなり「お父さん遅かったね」と少し不機嫌な会話です。私は飲酒運転の検問で長引いたことを話すと納得の手合いでしたが、お酒をやめていて良かったと今日はしみじみ思いました。
元はといえば小豆のせいで風船を膨らませる貴重な体験をしました。それもこれもお大師様のおかげなのです。わが家の入口にはお大師様が祀られています。明日は21日、そのお大師様の縁日なのです。わが家ではもう30年以上にわたってお大師様の縁日にお赤飯を炊き近所にお接待をしているのです。最初は母がしていましたが、今はそれを妻が受け継ぎ一カ月に一度やっているのです。
明日の朝は仕事に行く前に少し早く起きてお赤飯を炊くことでしょうが、ご利益十分ですっかり親父の役目となった幟立ても明日の朝はおこなわれるようです。
お大師様のおかげでこうして健康でいられると妻も私も親父も少しだけ信心深いお接待をしているのです。
「飲んでません それなら風船 膨らませ 警官俺を 疑り検査」
「ゼロゼロと 数字並んだ 検査機を 警官覗き 詫びのひとこと」
「縁日に 赤飯炊いて お接待 妻の手助け 小豆を買いに」
「あら嫌だ 小豆がなくて 飯炊けぬ 夜に気づいて 俺の出番が」
SECRET: 0
PASS:
そのすぐ近くで
毎日飲酒運転してる有名な人を
取り締まってください。
いつか事故をします。
若松さんも関わってる場所の方ですよ。