○群馬は空っ風ならぬ雨でした
中曽根さんや福田さんなどの総理大臣を輩出している群馬県へ群馬県町村議員研修に招かれ出かけました。群馬県は上州国定忠治、上州といえば「かかあ殿下に空っ風」と話題に事欠かない地域ですが私は何度か訪ねており、今回の会場となった玉村町は地域づくりの研修会に招かれたことのある懐かしい地域です。
群馬県は東京から新幹線で僅か1時間足らずで高崎に着きます。会場までは約40分ほどかかり、これたいった公共交通機関もないことから事務局の上田さんがわざわざ高崎駅まで貸切タクシーで迎えに来ていただき恐縮しました。
会場となった玉村町文化センターは約千人も収容できる立派な建物で、合併して69の町村が26町村になったとはいえ議会事務局職員も合わせると約500人の人が参加して、さすが議員さんだけあってど迫力の研修会でした。
研修会に先立ち昼食をとっている控え室へ川場村の村議会議長さんはじめ4名の方がお見えになりました。聞くところによると何年か前私の町へ視察に見えられたとのこと、はっきりは覚えていませんが群馬県のある村だったことだけは記憶の糸を手繰り寄せました。早速名刺交換をしましたが砂山議長さんから何やら祝儀袋を手渡されました。見ると「目録、川場村議員会と書いて、中には「りんご一箱(十キログラム)、りんご名ふじ、収穫時期がきましたらお送りいたします」と書かれてあるのです。なんという優しい心でしょう。私は思わず目が潤んでしまいました。傍で見ていた県の事務局長さんがすかさず上毛かるたを引用され「雷(らい)と空っ風義理人情」と評されました。まさに義理人情の世界でした。一度きりの出会いをしっかり覚えていただいたことを肝に銘じ、これからも視察者に対してしっかりと礼節をわきまえなければならないと思いました。
それにしてもこんな会場の壇上に上がるのですから、田舎物の私としては何だか気恥ずかしい感じもします。それでも与えられた仕事ですから壇上に上がると臆することなく堂々と話さなければなりません。この日はジャーナリストの有名な方が私の後に控えていて、どとらかというと私は前座のようなものなのです。前座は真打登場までのつなぎのようなものですから、しっかりと会場の雰囲気を保たねばなりません。
綺麗な花の飾ったこの壇上で私は90分間思いのたけを喋らせてもらいました。音響といい、会場の反応といい最高でした。
帰って私のパソコンのメールを開けると、参加した議員さんから何人も感謝と感動のメールが届いていました。「よっしゃー」と思わずガッツポーズをするほど嬉しい出来事なのです。失礼ながら議員さんという職種は数と年功の序列、それに大きな声がまかり通る世の中なので正直いって好きなタイプではありません。でも最近は合併による議員の整理整頓が進んだのか、やる気に満ち溢れた方々も沢山いて、私の先入観を覆さねばならなくなりました。地方自治にとっては嬉しい出来事なのです。
それにしても私のような人間が何で群馬県くんだりまで呼ばれるのだろうと、妻ですら不思議がるのです。そもそもは東京丸の内のフォーラムAで開かれた全国監査委員研修会に記念講演を頼まれ、その参加者の口伝えがこんな結果を生んだのですから世の中分からないものです。分らないついでに、各県の町村議会議員研修会の話題がまた町村に広がってゆくという核分裂、いやねずみ算とでも言うべきか、面白い方向へと発展しているようです。
それにしても約90分食後の眠たくなる時間をよくぞ眠る人もなく聞いていただきました。感謝感謝です。
「国定の 義理人情が 今に生き リンゴ目録 わざわざ届けに」
「メールなど 縁なき世界と 思いきや 議員メールで 感動感謝」
「音響も マイクも全て 一流で 俺の話は さて何流か?」
「風ならぬ 秋雨濡れて 上州の 人情出会う ふれあいの旅」
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群馬の研修会で聴講させていただきました。神流町というところで議員をしています。
大変興味深いお話だったので若松さんについて検索してみたところ当HPを見つけました。
田舎嘆きの10か条から田舎楽しみの10か条という発想の転換には勇気付けられることが多々ありました。ありがとうございました。
1点だけ
みかんも魚も人情味もどこにでもあるのに、どこにでもある夕日にこだわっていったくだりがいまひとつ分かりづらかったです。夕日が綺麗な場所に色々行って「たいして変わらない」というのは双海が一番いいということにならないですよね。NHKの話だけで良かったんじゃないかと思いました。
HPにのせてある夕景はとても綺麗でしたよ。