shin-1さんの日記

○いいまちの条件・西ヶ方(20-5)

 私は木になるカバンを提げて全国を旅していますが、いいまちだなあと思う所には必ず三つの条件が揃っているような気がします。勿論それ以外にもいいまちの条件はあるのでしょうが、特にその事に気をつけてまちを見てみると色々なことが目に付くようです。

 ①人が集まりあいさつが出来て時間が守れる

 集会に行くと代表の方がまず開会のあいさつをします。自分の前に予想に反して人が集まっておらず席が空いている場合のあいさつは、「今日はあいにくの雨で足元が悪いので」と集まらない原因を雨のせいにします。ところが同じ場所に行った時その日はいい天気でした。だのに集まっていない観客席を見て代表者は「今は農繁期で今日も天気が良いので人の集まりが悪いようです」と言い訳のあいさつをするのです。「おいおいこの集会は何時集まるのか」と思わず苦笑せざるを得ませんでした。

 西ヶ方は人の集まりも最高で、あいさつは愛称で呼び合う長閑なもので、集会の開会時間も予定の時間どおり7時半きっかりに始まりました。私は数日前対岸から見た珍しい橋に目を止めて、この西ヶ方の駅辺りを散策しました。その時たまたま下校時と重なりましたが子どもたちは、見ず知らずの私にでも声を掛けてくれたし、申し分のない地域とお見受けしました。

 ②花が美しく咲いている

 西ヶ方に通じる橋を渡って右に曲がると車一台がやっと通れるJRの小さいトンネルをくぐります。そこから西ヶ方の駅までの沿線は草も刈って、グラジオラスなどの季節を告げる花や刈り込んだ生垣が迎えてくれました。多分沿道の人たちがボランティア活動としてやってるのでしょうが、これとて並大抵の仕事ではないのです。赤字路線ゆえ、沿線の草刈や駅の清掃などJRではままならないのでしょうが、地域のシンボルとして地域がしっかりと駅を守り続けているのです。会場となった集会所からさらに進むと幡多十景に数えられる金毘羅神社があるそうです。その看板に偽り無ければ美しいはずです。聞けば春の山桜の季節はそれは見事な花に彩られるそうです。桜の季節に一度は訪ねてみたいと思いました。

 ③公衆トイレがきれい

 その地域の公衆トイレが汚いといくらいい言葉を並べてまちを宣伝してもむなしく感じます。私が借りた西ヶ方駅の公衆トイレは掃除が行き届き、よくある駅のトイレの嫌な匂いなど何処にも無くまさに快適でした。トイレの窓辺には季節の花がさりげな活けてあり、細やかな気配りも感じたのです。

 人が集まりあいさつが出来て時間が守れれる、花が美しく咲いている、そして公衆トイレがきれいといったこのような何気ないことが、日々の暮しに組み込まれている地域は素晴らしいと思います。今の日本は権利主張の人間が余りにも多く、義務とまでは言わないまでもささやかなボランティア活動に目を向ける人は少ないようです。この三つこそ社会に生きるに必要なボランティア活動の原点のような気がするのです。

 私たちは自分で生きているけれども、生かされて生きることも考えねばなりません。わが住む地域やふるさとのために何が出来るか改めて考えたいものです。

  「始めます 時間どおりに 集う人 何気ないこと できるは凄い」

  「さようなら 行き交う子ども 口々に あいさつ交わす 嬉し光景」

  「トイレ借る 西ヶ方駅 綺麗だね 窓に一輪 季節の花が」

  「えっここ過疎? 目耳疑う 人集う 田舎自慢の 出席百(%)」  

  

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