shin-1さんの日記

○不自然な自然と野生化する自然

 自然の反対語に不自然があります。広辞苑によると自然とは「おのずからそうなっているさま」「天然のままで人為の加わらないさま」「あるがままのさま」とあります。家の表に立って辺りを見渡すと少ない自然に比べ人間が便利や安全という名の下に壊した不自然がやたらと目に付きます。私たちが青い海や緑の山を見て何か癒される気持ちになれるのは人間も本来動物の一種で自然の中で暮らしてきた本能が甦ってくるからだと思えば納得するのです。

 この数年、私たちの身の回りでは自然が危ないという自然界からのシグナルが届き始めました。海では養殖ハマチの大量死、赤潮の発生、真珠の斃死、鯨の迷い込み、奇形魚の水揚げなどが毎日のように新聞に取り上げられています。ハマチを飼うのにホルマリンを使っていたとかいないとか、海を生業として海からの恵みで暮らしている漁民さえもが「使った。使わない」で言い争い、泥沼化しています。本来海を守るべき漁民がこんな醜態ですから言って行くところはありません。餌をやらないで海を汚すはずのない真珠母貝だって斃死原因を徹底究明もしないまま、斃死に強いというだけで、生態系を壊すかも知れない中国産母貝を海に離しその場をしのごうとしているのです。海水温度が1~2度上昇していると聞きます。1~2度の上昇は100キロ南の海水温度に匹敵するというショッキングな話を聞いたことがありますが、自然であるはずの海が不自然になりつつあることへの警鐘と考えねば大変なことになると、私のような凡人でも考えるのです。

 山はどうでしょうか。耕作していた畑や田んぼが、作り手農民の高齢化と過疎化によってどんどん放置・放棄され自然に帰ろうとしています。日本の高温多湿な気候では、放置・放棄されても山は砂漠化しませんが、カズラの勢いが強くて、また竹林の勢力が強くて日本の田舎はカズラと竹での占める面積が里山を中心にどんどん広がっているのです。イノシシは相変わらず増え続け、先日伺った高知県の山間のまちではイノシシとシカとサルが増え続け、まるで賭博に使う花札のようだとお百姓さんは笑って首をすくめました。一昨日訪ねた岡山の市外の街路樹でも異様な音を耳にしました。最近田舎ではコンバインの普及でスズメがいなくなったという話を聞きました。スズメの世界でも田舎は過疎化が進んでいるそうです。ところが街路樹からスズメの大群の鳴き声が異様な音を立てて群がっているのです。田舎のスズメもやはり都会に憧れて・・・・・なんて思わず苦笑ました。カラスが増え、ゴミ置き場はカラス様の食べ残した食事の後片付けを人間という下部がせっせとやっているのです。

 昨日人減牧場へ行くため海岸国道を約8キロ走りました。たった8キロ走っただけなのに、ハクビシン一匹、イタチ1匹、猫一匹の交通事故に遭遇しました。弱肉強食の世界でしょうか、その死骸にはカラスが車の危険も顧みず群がりそのカラスを避けるように人間様の車が走っていました。

 昨日の朝わが家の庭に再びハクビシンが登場しました。私たち人間を意識することなく悠然と歩く姿をカメラで写したのですが、ハクビシンは振りかえってポーズまでしてくれるサービスぶりでした。

 さすがにカメラのフラッシュに驚いたのかその後ハクビシンは自然の中に消えて行きましたが、今晩も私の書斎の前に現れ、私が元気であるかどうか中を覗くことでしょう。不自然な自然と野生化する自然が妙に気になる朝でした。

  「ハクビシン キジやイノシシ 出る話 田舎だからと 思う間違い」

  「ハクビシン 人里われに 何を告げ 来るのか分らず 戸惑うばかり」

  「夜来雨 傘もささずに ハクビシン 何処でどうして 暮らしているやら」

  「花札の 絵柄気になる 自然界 一度ゆっくり 調べてみたい」

 この記事を書き終わった瞬間、書斎のガラス戸向こうに何とハクビシンが座っているではありませんか。「おい進ちゃん、今日は私を主人公にして記事を書いてくれてありがとう」と言わんばかりのごあいさつでした。早速ガラス戸を開けて「お早う」と声を掛け写真を一枚、逃げることもなく写真撮影に応じてくれました。

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“shin-1さんの日記” への2件の返信

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    また見に来ますね♪
    よかったら私のブログにも遊びに来てください。
    ブログって続けるのが大変ですよね。

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