人間牧場

〇週めくり二宮金次郎語録(その5)

 財能く人を富し また能く人を貧す
 何ぞや也
 分度に大小 あり
 小と大のとに処しめ
 経理の術を知る者
 貧窮の憂い有るなし
             (二宮先生語録巻二より)
 勤勉なものは財を得て富むが、財のために貧乏になることもある。お金は使い方次第なのである。分度の大小に応じて使うことができる者は貧窮する憂いはない。

 私が執筆し発刊した「今やれる青春」という本に、「米百俵ならぬ百万円の小切手(P91~)」という小見出しの記事を、2ページにわたって書いています。仔細は読めばわかりますが、恩人藤原茂さんの紹介で関印刷の関会長さんから私が代表を務める21世紀えひえニューフロンティアグループに100万円の小切手をいただきました。その折関会長さんが「百万円を儲けることは大変ですが、百万円を使うことはもっと大変です」と言われ、さすが実業家の言うことは違うと、幕末越後長岡藩の小林寅三郎になぞらえ、米百俵の蓄えにして「今やれる青春」という本を出版し、いささかなりの恩返しをすることができました。

 40万円の給料を35万円使うと5万円残ります。50万円のお金を55万円使うと5万円足らなくなります。これを1年間続けると前者は+5万円×12ヶ月=+60万円の蓄財が生まれます。後者は-5万円×12ヶ月=-60万の赤字となります。これは誰にでも分かることですが、給料40万円という分度とに「給料が安い」と文句ばかりを言って、この計算ができないで浪費し経済破綻する人は後を絶ちません。「親難儀 子げど 孫ほいと」や「家が三代続くのは難しい」という言葉の意味が、「財能く人を富し また能く人を貧す」の言葉に秘められています。拳々服膺お金の大切さを身近な家庭で、教えたいものです。

「金がある だから幸せ 限らない 使い方です 拳々服膺」

「給料が 安いからとて 気にするな 貯めれば増えて 使えば無くなる」

「儲けるは 大変だけれど 使うのは もっと大変 重い言葉だ」

「経済は 単純明快 +か- 分度わきまえ しっかり生きる」

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