人間牧場

○子ども体験塾始まる(その1)

 双海町に住む子どもたちを優しくたくましい子どもに育てる、「子ども体験塾」がいよいよ今年も始まりました。町内の小学校三校にお願いして募集をかけたところ、定員30人をはるかに超える40人が応募をしてくれました。以来実行委員会で決まった担当が中心になって、その内容吟味や準備が行なわれました。私は実行委員長をしていることもあり、また第一回のいもづる植えと秋の収穫祭の会場が人間牧場なので担当することとなり、事務局の赤石さんと何度も打ち合わせを行い、また公民館の松原さんたちの協力を得て、事前に芋畑の中耕やマルチ掛け、草刈りなど、今迄で一番労力を費やしました。

 前日雨が降り、その余勢が残る深い霧が残ってはいたものの心配された天気も、むしろ初夏の太陽を遮ってくれて、ラッキーな一日となりました。私は朝起きて水タンクに炊事用の水を2個入れて、トラックに積み込もうと思いましたが、腰の具合が今一だったため、居合わせた長男息子に詰んでもらい、7時30分に自宅を出発しました。人間牧場へ到着すると腰の痛さなどすっかり忘れて水タンクを降ろし、水平線の家の大きな窓を全開して、とりあえず掃除を始めました。そのうち浜田さんがやって来て、一緒に掃除をしたり段取りをしました。午前8時30分になったので、開会式に出席するため浜田さんに掃除の依頼をして、一旦下灘コミセンへ向かいました。

 コミセン2階には参加する親子連れが集まり、受付や雑談をしていましたが、その人の群れの中に福島から原発疎開で福島県から、わが町にやって来ている渡辺さんの奥さんの姿を見つけました。先月末の29日に元気な男のこの赤ちゃんを出産していて、その子を抱いて娘さんを連れて来ていました。嬉しい双海っ子の誕生を、開会式のあいさつに入れ、みんなからお祝いの拍手が贈られました。
 開会のあいさつでは、「心が優しくて逞しい子どもを育てる」、子ども体験塾の趣旨をしっかりと話しました。実行委員やスタッフが紹介され、いよいよ今年の子ども体験塾がスタートしました。私は開会式が終ると直ぐに人間牧場へ引き返し、既に到着していた松本さんや戸田さん、冨田さん仲神さん、宮栄館長さんたちとともに慌しく準備をしました。

 コミセンから約40分の山道を歩いて登る子どもたちのために、今年はオリエンテーリング形式のクイズを道沿いに配置していたようで、スタッフも中々やるものです。そのうち子どもたちの歓声が聞こえ始め全員元気に人間牧場へ到着しました。子どもたちの中にはまだ体力が備わっていない子どももいて、到着するなり「疲れた」を連発してコンクリート舗装の道路に寝転んだりしていましたが、これも想定内の逞しさ育成術なのです。40人は五つの反に分かれていて、今年はそれぞれの班がメニューにローテーションを組み、別メニューで進行しました。班旗づくり、薪割り、いもづる植え、案山子づくり、ピザ体験を20分程度やるのですが、どれも楽しいメニューで、今年初めて取り入れた薪割りやピザ体験は大いに盛り上がったようでした。

  「今年も 四十人の 子どもたち 人間牧場 歩いてフーフー」

  「この町で 生まれた子ども 抱いて来る 原発疎開 逞し母さん」

  「心根の 優しい子ども 育てたい 人間牧場 造った意味あり」

  「新たなる メニュー子ども 歓声を 挙げて楽しい 一日過ごす」

 

歩いて人間牧場へ到着した子どもたち

 

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