人間牧場

○夕日徒然草・空の書の執筆始める

 「5年間で150話の創作落伍を創り、話芸として演じたい」。そしてそれを「夕日徒然草として出版したい」という、とんでもない思い付きを5年前にして、こともあろうか人様に公言してしまいました。私の悪い癖は目標を立ててそれを人様に公言し、人から見れば「多分無理だろう」とか、「大風呂敷だ」などと思われても、自分を追い込んで成し遂げていくやり方で、これまでにも様々なことを成し得てきました。凡人の私が人間牧場を造れたのも、アメリカへ青年の船で行けたのも、また私設公民館煙会所を造れたのも全て「私ならできる」と自分に暗示をかけた賜物なのです。

 「5年間で150話の創作落伍創り」は、私にとって書くことへの挑戦でした。150話を1年30話に小刻みし、毎年地の書・水の書・火の書・風の書・空の書と積み重ねて行けば、5年間で150話が完成するという目論見でした。しかし最初の地の書までは書きたいことがいっぱいあって、筆は順調に進みましたが、浅学な私には150話がいかに途方もない数字であるか、水の書執筆に入った所で早くも露呈してしまいました。それでも筆を起こしその後4年間で目標どおり120話を書き上げ、夕日徒然草を風の書まで4冊出版することが出来たのは、印刷工程を担当してくれた友人の清水和繁さんや、村上太さんのお陰だと深く感謝をしているのです。

 夕日徒然草の出版には一冊25万円+5%の消費税(1万2千5百円)がかかります。印刷屋に支払ったお金だけでも26万2千5百円×4冊=百5万円という金額になるのです。貧乏なリタイア生活の私にはこれまた難儀な金額ですが、経済は回るということを考え付いたのです。つまり初期投資の26万2千5百円さえ用意して、一冊5百円に設定した本を525冊売って26万2千5百円さえ回収すれば、自転車操業よろしきを得て、何冊でも出版が可能なのです。私には525冊を売る自信はありました。目論見どおり地の書は1年間で千部の売り上げを記録し大ヒットとなったのです。本代を人間牧場の運営費に回すという目論見にはまだ達成していませんが、とりあえず夕日徒然草の売上代金は味噌の入っていた樽二つ(一つは自分の書斎、一つは水平線の家)にストックされて、最終5冊目空の書の資金も確保されているのです。

 何はともあれ、空の書は目標どおり5月一杯をめどに原稿30本を書き上げなければなりません。今月1日から恐る恐る執筆を始めました。スピードが上がるどころかまだアップアップの状態で、先が思いやられますが、まあ何とか1日1本書けば30日で30本ですから、可能性は十分あるようです。
 今これまで書き上げて出版した夕日徒然草を基に、愛媛新聞社カルチャースクールで、街中の人間牧場移動塾というのをやっています。これは話芸ではなく講義タイプですが、夕日徒然草の読みほぐし解読も中々味があって面白いものです。さあもう一分張り、目標の150話の完成に向けて頑張りましょうか。

  「百五十 小話創る 目標に また一歩づつ 近づく辛さ」

  「遠いなあ 思いつつ書く 徒然も やっと向こうが 見えるとこまで」

  「書くよりも 資金心配 してたのに 今は逆転 書くが心配」

  「書く作業 鉛筆消しゴム 要らずして キーを打つだけ 世の中変わった」

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