shin-1さんの日記

○新たな旅立ちのために

 昨日の夜は瀬戸内荘やまもとという小粋な民宿に泊まりました。新山さんはじめとする周防大島の町づくり活動者を囲んで楽しい語らいの食談会が催されました。テーブルには海の幸が並び、新山さんからいただいたお酒などを召しあがりながら、地域づくりについて楽しく語りました。

 今期限りでえひめ地域づくり研究会議の代表運営委員をの職を退任する予定の私にとっては、これまでの県外研修とはまた一味もふた味も違った感傷にふける旅となりました。私にとってこの20年余りの地域づくりは研究会議とともにあっただけに、少し寂しい気もしましたし、私の仕事を引き継ぐべき二人の代表の参加がなかったのは不安な気もしました。しかし私の自律と自立のためには避けて通れない道と思い、4年前に辞意を漏らしたものの受け入れてもらえずついつい長引いてしまいました。でも今はホッとしてゼロに戻れる自分を喜んでいます。

私はこれから人間牧場を使って新し地域づくりをしようと思っています。そういう意味で今回の旅は発願の旅と位置付けました。これまで自分が輝いてきた輝きの部分を後継者に光を当てる作業ですが、これも思っているほど容易なことではありません。でももう自分で決めたことなので、想いをこめてチェンジとチャレンジをしたいと思いました。昨晩は同室だった仙遊寺の小山田さんと過ぎこし人生を話しました。二人が出会ったこと、二人がこれまで歩んだこと、二人がこれから歩もうとしていることなどなど、しんみりと話しました。

若松進一ブログ(宮本常一のお墓に皆さんでお参りしました)
若松進一ブログ(宮本常一の墓に並ぶ父親善十郎のお墓)

 夜明けの5時前に目がさめましたが、同室の菊池さんも小山田さんもまだ就寝中なので私も布団の中で色々と思いを巡らせ、薄暗い電球の下で思いつくアイディアをいつものごとくメモしていました。今朝は7時に食事をして7時30分には宮本常一さんのお墓参りに行こうと約束していた通りみんなで朝の空気を吸いながら出かけました。田舎の朝は歩く人もなく時折通る軽四トラックに道を譲りながら豊田さんの案内で約20分をかけて墓地まで行きました。お寺の境内のすぐ裏に宮本常一さんと父親善十郎さんのお墓はありました。佐野眞一さんの旅する巨人を読んでいるため、私はむしろ善十郎さんのお墓に興味がありました。今日は数日前までの雨模様の天気が全く嘘のように快晴で清々しい春の陽気で、田んぼのホトケノザの濃いい薄紫の花が一段と鮮やかに咲いていました。せっかくだからと宮本常一の生家を訪ねました。時代の変遷で生家はこじんまりとした家に生まれ変わっていましたが、宮本常一に思いを寄せる一人の人間として、いい思い出ができました。

若松進一ブログ(宮本常一の生家あたり)
若松進一ブログ(周防大島町東和支所が併設されている星野哲郎記念館は、演歌の世界らしくすっきりとしたたたずまいでした)

若松進一ブログ(星野哲郎さんの等身大人型パネルとともに、記念写真を撮りました)
若松進一ブログ(道の駅とうわには、双海町で習ったじゃこ天の店もありました)

若松進一ブログ(宮本常一につながる宮本農園の焼き芋屋も出店していました。わたしはそこで東和金時という種イモを31個買い求めました。人間牧場でこの芋の増産を図りたいと思っています。その芋はもうかすかな芽吹きが感じられるほどでした。さっそく今週中には種イモを伏せる作業をしたいと思っています)

 作詞家星野哲郎記念館を見学したり、宮本常一記念館を見学したり、また道の駅サザンセトとうわを見学したりして午前中を周防大島で過ごし、いつもは沖合い遠き場所から眺めながら旅する周防大島の北側の道を走り、周防大橋を渡って最後の目的地である柳井へ入りました。昼食会場である四季旬菜蔵やのの2階へ上がりました。ここでは春を待つ心そのままに艶やかな和風創作料理がテーブルに並び、料理もおいしく堪能しました。事務局である松本さんの手配よろしく柳井市白壁の町並みを守る会事務局長国森さんの話を、同じ会場で聞き、連れだって観光ボランティアガイドの方の案内で町並みを散策しました。やはり印象に残ったのは国の重要文化財に指定されている国森家の素晴らしさでした。

若松進一ブログ(きれいに整備された柳井の白壁の町並み)
若松進一ブログ(蔵やの創作料理は美味しい味でした)
若松進一ブログ(柳井の名前の由来になった三代目の柳の傍にある井戸)
若松進一ブログ(国の重要文化財に指定されている国森家はその規模に圧倒されました。隠し階段や大火から守る工夫が随所に見られました。旧家らしく調度品にも深い味わいが感じられました)
若松進一ブログ(二階の土蔵窓風の格子窓から見る街並みもおつなもので、まるで時代劇を見ているようでした)

 僅か一泊二日の旅でしたが、好天に恵まれ、仲間との語らいも楽しく、防予汽船に乗って夕闇迫る三津浜へ帰り、参加した人たちはそれぞれの目的地を目指して帰って行きました。


  「転機なる 旅をしみじみ 味わって 過ぎ越し日々を 思い出しつつ」

  「古きもの 深き味わい 感じつつ  まだ春浅き 街並み歩く」

  「風揺れる 柳の枝の 芽吹き見つ 木々の営み 人に勝ると」

  「格子戸を 透かして見える 大通り 観光客ら ぶらぶら歩く」 

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