人間牧場

〇享年と行年

 最近は便利になって、必要な用件はいち早くPCや携帯電話にメールが入るので、チェックを怠らなければ瞬時に伝言が伝わります。昨日親友から親友のお母さんが亡くなったという知らせと、通夜や葬儀の段取りメールが届きました。人の死は突然やって来るので、メールを受けた私は、早速予定表を開け、出席できるかどうかをチェックしますが、あいにく予定が入っていて、葬儀に出席できないため昨日の夕方、友人と待ち合わせて通夜式に出かけました。

 午後6時開式を逆算し、松山市内宮の葬祭会館に30分前に到着する目論見を立てて車を走らせました。夕方のラッシュ時期でしたが渋滞に巻き込まれることもなく、カーナビのお陰で迷うこともなく予定通り到着しました。
 仕事や都合で通夜にも葬儀にも出席できない仲間から頼まれた香典を、受付で差し出して住所録を書き、お返しの品を頂いて2階の通夜会場へ入りました。穏やかなお姿でお母さんは安置されていました。枕元で親友夫婦が淋しそうに座って、相次いでやって来る弔問客にあいさつをしていました。唇に水を差し線香を手向けてねんごろに弔いました。

 丹原からやって来た菩提寺の和尚さんの読経で通夜式は始まりました。浄土宗の物悲しい読経に心を揺さぶられ、30分余りの読経の後少し長めの説教が20分以上もありました。私はお坊さんの説教はためになるお話が多いため、しっかりと聞くようにしています。この日の説教は浄土宗のいわれや教祖法然についてが殆どでしたが、享年と行年について聞くことができました。「享年とは人が天から享けた年数」「行年とは娑婆で修行した年数」だそうで、結局は意味的には大差がなくどちらでもよいというお話でした。

 年齢は生まれる時点が0歳ですが、母親の胎内で10月10日を過ごすため、生命的には生まれた時点で1歳なのです。ゆえに誕生日の10月10日前から死を迎えるまでの年を数えたものが享年と行年なので、必ずしも数え年と一致しないのもそのためのようです。
 仏教辞典によると享年・行年とは、「天・大自然から享けた年数」「この世に存在した年数」のことだそうです。行年は「何歳まで生きた」ということで「歳」をつけ、享年は「歳」をつけないそうです。最近は紛らわしいので位牌に「満〇〇歳」と満年齢を書く人もあるようです。昨夜の通夜式もいい勉強をさせてもらいました。

  「突然に 人はなくなる 私にも 予定があって 中々出れず」

  「行年と 享年違い 言われたが 結局大差 ないと認識」

  「人間は 母のお腹で 既に生き 死ぬときゃそれを 足して計算」

  「淋しげな 友の顔見て つい涙 母との別れ 辛いものです」

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇種を蒔く

この写真のような野菜が出来たらいいなあ!!
この写真のような野菜が出来たらいいなあ!!

 昨日は牡丹会に出かけた帰りに、ホームセンターに立ち寄り野菜の種を買って帰りました。本当はもっと色々種を蒔いて野菜を作りたいのですが、いかんせん手間と暇がまだついて行くことができないため、とりあえずインゲン豆、人参、大葉、スイートコーン、ゴボウの種を一袋ずつ買いました。昨日は時期も良しの二十四節気のひとつ穀雨で、朝からの雨も午後には小康状態となり、多少畑の土も緩んでいましたが、種を蒔くには適当なお湿りで、先日石灰と牛糞を施して耕運機で耕していた畑に棒縄を張り、定規で間隔を計りながら種を蒔きました。

 買った野菜の種袋には、どれも立派な写真が写っています。いつも種を買う時思うのですが、こんな野菜ができるかも知れないと淡い期待を抱くのです。しかし残念ながら孤軍奮闘の甲斐もなく、できた野菜は曲がったキュウリ、又別れしたゴボウや人参、虫の食った歯抜けのトウモロコシ等、農薬を使わないため散々で、時には全滅して×÷▲□といった気分になり、栽培意欲を欠いたりしますが、そんな苦い思い出は直ぐ忘れ、同じような過ちを犯すまいとしつつ、同じ過ちを犯してしまうのです。それでも苗を買うより種は安いし、野菜を買うよりは自分で作った野菜は安心安全において納得できるのです。
 作物は土作りだと分っていて、今年も昨年に続いて完熟牛糞を30袋買いました。10袋まとめ買いすると1袋負けてくれるし自宅まで運んでくれるから楽チンです。

 昨晩いつも夏野菜の苗をいただく伊予市の水口マリ子さんに電話を入れ、明日苗を取りに行く手はずが整ったので、早速今日は畝を立てたりして植える準備をしなければなりませんが、ここに来て仕事や人間牧場への来客も俄然忙しくなって来ました。
 先日病院で同じ役場に勤めていた親友に会いました。彼は退職後広い畑で野菜を作ったり、海で釣りをしたり、いわゆる海英彦山彦のような三昧な暮らしをしています。彼がスイカを作ることを勧めてくれました。これまでにもスイカを作った経験はあるのですが、中々世話が大変で止めました。彼は小玉スイカを作っているらしく、これまでにもお裾分けでいただきましたが、とても美味しかったです。
 プランターに植える花々も買った時が一番綺麗で、そのうち雑草に覆われ水をやり忘れて生き絶え絶えとなり、哀れな末路を辿ります。今年はそんなことのないよう頑張りたいものです。

  「種袋 見ると綺麗な 写真入 こんな野菜が できたらいいなあ」

  「穀雨日を 選んで野菜 種を蒔く お湿り宜しく 一粒ひと粒」

  「今年は スイカを作って みようかな!! これも挑戦 一生懸命」

  「親友や 近所の人に 教わって 野菜作りも 板につきつつ」  

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇回転寿司屋で入学祝の夕食会

 昨日は夕方内孫希心と外孫尚樹の、小学校入学祝をやることになり、二人のリクエストに応えて、松前町のてんてん丸という回転寿司に出かけました。最近は松山市内や周辺郊外に回転寿司のお店が沢山できているようですが、ネタの品数も豊富なようなので、この店を選びました。
 回転寿司は土曜日の夕方午後6時ころになると、混んで待たなければならないので、待つことが嫌いでせっかちな私の要望を聞き入れ、待ち合わせ時間を午後5時ころと示し合わせましたが、車3台でそれぞれが出かけたため、みんなが揃ったのは午後5時20分になってしまいました。ボックス席を二つ確保し、回転している寿司の中から思い思いの寿司を取ったり、注文をしたりして食べましたが、私の目の前に座った6年生の孫朋樹は今が食べ盛りで、大好きなマグロをワサビがついたまま美味しそうに食べていました。

 私はハマチや太刀魚、イワシなどが好きな安上がりタイプですが、昨日は新鮮なカツオやアジやカンパチもあって大満足の手合いでした。私は普通回転寿司は7~8皿といったところですが、孫たちも少しずつ積み重ねる皿の数を増えているようで何とも嬉しい成長です。
 孫や女性陣は寿司に加え茶碗蒸しや味噌汁を注文したり、食後のデザートとしてソフトクリームを食べていました。食後のコーヒーやソフトクリームなど余り飲んだり食べたりしない私には信じられない光景です。皿を高く積み上げ約40分ほどの食事を終えましたが、支払いは勿論妻の財布です。妻は家族で外食食事会をする場合は、大まかな予定を立てて行くようですが、昨日は大人6人、子ども4人の合計10人で2万円程度と目論んでいたものの、1万7千円程度で済んだようでした。

 私は肉類を殆ど食べない魚系のため、家族でたまに外食する時はみんなが私に合わせてくれますが、前回はエミフルの焼肉屋へ出かけたものの、食べるものが殆どなかったため、大人げもなく「もう行かない」と駄々をこねてしまいました。外食の余り好きでない私は、仕事で外に出かけても余程のことがないと自宅へ帰って食事をするのです。
 昨晩は食事会を終え早目に午後7時に帰ってテレビを見ましたが、外食をするとなぜか喉が渇きます。多分外食は口当たりが良いように甘辛く味付けしているのではないかと思われるのです。家庭の薄味に馴れている私は、関東や東北へたまに行くと、味も見かけも濃いくて少々戸惑います。歳をとると薄味が健康にいいようなので、妻も極力薄味にしてくれるので、一昨日県立中央病院での健康診断時に計った血圧は、最高血圧124、最低血圧72で脈拍も59の正常範囲内でした。

  「孫二人 入学祝 食事会 回転寿司で ワイワイガヤガヤ」

  「孫たちも 皿を積み上げ 一丁前 美味い美味しい 連発しつつ」

  「外食は 味付け濃いい ゆえなのか 喉が渇いて どこか可笑しい」

  「薄味の お陰でしょうか 血圧も 正常ですと 血圧計が」

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇ジャガイモの話

 昨日宇和島市三浦水ヶ浦に住む親友藤田さんから電話が入りました。耕して天に至ると形容される生活文化遺産水ヶ浦の段々畑では、早くもジャガイモの早掘り収穫が始まったようです。同じ四国愛媛県に住みながら、私たちの地方ではまだジャガイモは芽吹きのころだというのに、何という収穫時期の差でしょう。
 聞けば宇和島市三浦半島は宇和海に面していて、黒潮の流れ込む温暖な地域です。加えて段々畑に使っている石積みに黒潮の暖かい気温と太陽の熱が保温され、ジャガイモの生育を早めるようです。早掘りジャガイモの産地は長崎です。長崎は宇和島市三浦とよく似た気候風土で島や半島が多く、地理を活かしたジャガイモ栽培が古くから行われて来ました。

伸びてきた家庭菜園のジャガイモ畑
伸びてきた家庭菜園のジャガイモ畑

 ジャガイモはもともと東南アジアのジャワが原産ですが、オランダやポルトガルの貿易船が交易の際、長崎出島へ持ち込んだのが始まりとされています。ジャワ芋がジャガイモに名前を変えて全国に広がりました。春先のジャガイモは大きいものよりくず芋のような小さなものが好まれるようで、小さくても値段が高いようです。薄皮が剥けるのも大きな特徴で、春ジャガの香りは何ともいえないホクホクな味がするのです。
 一方ジャガイモの産地には北海道があります。北海道の広大な土地でできるジャガイモは秋ジャガで、男爵という名前がついています。これはアメリカの男爵が明治時代に持ち込んだもので、長崎出島系とは品種が異なり大きい芋が好まれます。小さいものはクズとなり、でんぷん等の原料になるそうです。

 私たちの地方は冬でも暖かいため春と秋の2シーズン、ジャガイモが収穫できます。春ジャガ、秋ジャガと呼んで区別していますが、私が子どものころ祖母はこうしたことを知っていたのか、1年に2度採れるから2度芋と言っていました。
 昨日私は雨上がりの畑に入って、伸び始めたジャガイモの芽かきを行ないました。元気な種芋は芽を幾つも伸ばしています。そのままほおっておくと、幾つもの芽に養分を取られて根に着く芋が大きくならないのです。折角伸びた芽をカッターで切り取るのは、何か勿体なく忍びない感じもしますが、1本から3本までに芽かきをして回りました。早いものはもう30cmの高さに背を伸ばしています。あと1ヶ月もすれば梅雨間近な時期に、ジャガイモの収穫が始まります。今年は人間牧場へも植えているため、ジャガイモの収穫がとても楽しみです。

  「ジャガイモは ジャワイモなまり 今がある なるほど納得 男爵納得」

  「一年に 二度も収穫 二度イモと 祖母が言ってた なるほど納得」

  「春ジャガは 小さいものも 価値がある 間もなく届く 早掘り待とう」

  「伸びた芽を 一つ二つと 欠いて行く 勿体ないと 思いつ作業」

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇世界的な万能薬

 「少し飲み、そして早くから休むこと、それは世界的な万能薬だ」とは、フランスの画家ドラクロアの言葉です。私は若いころからビールが大好きで、まったくこの反対の沢山飲み夜遅くまで起きて寝ませんでした。ゆえに酒も毒薬、睡眠不足も万能薬どころか毒薬でした。加えて酒を飲んだ後に脂濃いラーメンまで締めに食べていたのですから、これはもう自殺行為のようなものでした。1回目の危機は23歳の時肝機能障害を伴って現われ、2回目の危機は58歳の時胆のうポリープという形で現れました。1回目は若さもあって病気を上手く乗り越えましたが、2回目の胆のう摘出手術は流石にショックで、目標としている85歳まで生きるために不退転の決意で、あれ程好きだったビールをきっぱり断ったのです。

 ゆえにドラクロアの言う「少し飲み」はもうできなくなりました。酒を止めて早14年が過ぎましたが、健康を維持できていることを思うと私の決断は賢明だったようです。時折酒宴に付き合いますが、最近はもどき商品とでも言うのでしょうか、酒を飲まない私のために、ノンアルコールのビールを用意してくれますが、このゼロのビールでも酔ったような雰囲気になるのですから不思議です。
 睡眠は日常的には昨年まで12時に寝て4時に起きるといった4時間睡眠を長年続けて来ました。ある学説だと睡眠時間は8時間が基本のようですが、私はその半分です。胆のうを取ってから3ヶ月に一度の定期健康診断を欠かさず受けていますが、主治医の先生の話によると、もう少し睡眠時間を増やした方がいいそうです。

 最近は毎朝起床午前4時は変わらないものの、「少し早く休むこと」を基本に考えて暮らしています。昨日は畑仕事や庭の草取りで少し疲れを感じたため、午後10時ころに床に就きました。早く寝過ぎたため今朝は3時ころに目が覚めてしまいました。一緒の布団に寝ている妻は風邪気味ということもあって、相変わらず朝は6時30分まで寝ていたようです。
 親父は太陽が沈み陽が暮れると寝ます、そして夜が明けると用事もないのに起きて、何やらゴソゴソしているようです。親父は暇さえあればコタツに入ったり布団に入ってうたた寝や午睡を楽しんでいます。私の起きている実労時間とは偉い違いですが、ドラクロスの金言を守って、これからは「少し早く休むことは世界的な万能薬」だと思い、早寝を心がけたいと思っています。

  「少し飲め 言ってはいるが 酒止めた 私にゃできぬ どうしたものか」

  「睡眠も 大事だけれど 長年の 癖は直らず 今朝も早起き」

  「子どもには 早寝早起き 朝ごはん 言ってはいるが 大人はその逆」

  「少しだけ 早く休むと 世界的 万能薬だと 金言諭す」

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇自家用マッサージ機

 わが家には親父の隠居に立派な自家用マッサージ機が一台あります。母親が存命中の13年前に購入したものですが、その後親父は使わず親父の部屋の客間に置いたままです。親父から「いつでも使え」といわれているものの、そんな暇もなく使うこともないので勿体ないと思っていますが、親父の持ち物なので多分このままの状態で、これからも置かれることでしょう。
 親父がこのマッサージ機を買った折、古い旧式のマッサージ器を貰い受け、私たちの居間に置いていて、肩こりしがちな妻は毎日のように風呂から上がって寝る前に、5分程度揉み解しています。「あなたもどう」と妻から誘われていましたが、肩こりの少ない私は使うこともなかったのですが、最近になって草刈などの農作業をした日は肩や腰に少し違和感を感じるようになったので、この1週間ほど、マッサージ機を利用して風呂上りに背骨付近を揉み解しています。

 最初はどこかこそばい感じがしていたのに、一週間続けると腰や背中が随分楽なような気がして、只今はまっているのです。私は60歳前後にぎっくり腰に悩まされていました。1年に2~3回いきなりぎっくり腰になり、にっちもさっちも動けなくなりました。その都度伊予市の松本整体院へ2~3回通院して揉み解してもらい、急場をしのいでいました。
 整体院の先生から、ぎっくり腰の予防にはラジオ体操のような日常的な運動で、腰や背中の筋肉を強化することが一番だと教えてもらったものの、ぎっくり腰がよくなると痛い時のことや先生の言葉などすっかり忘れ、働きづめに働いて再発を招いていたのです。

 最近はやはり歳のせいでしょうか、また健康に目覚めたからでしょうか、そのことを頭に置いて、腰痛対策のエクササイズとでも言うべき柔軟体操を毎朝20分程度、居間のカーペットの上で行なうようになりました。効果は抜群でこの3~4年はぎっくり腰はすっかり影を潜め、整体院へもまったく行っていないのです。今頃になって整体院の先生が言っていた、「筋肉の鎧」の話を思い出すのです。私たちの体は骨の周りに沢山の筋肉がついて、骨をガードしたり体を動かしています。筋肉を鍛えると体は年齢に関係なく若返るそうです。筋肉の若返りのためには歩いたり走ったり、鍛えたりしなければなりませんが、日常のその努力こそ最大の予防なのです。お陰様で最近は1日一万歩を目標のウォーキングもすっかり板につき、元気に暮らしています。

  「悩まされ 続けた腰痛 影潜め 整体院は 開店休業?」

  「親父から マッサージ機 下取りし 夫婦仲良く 毎日ケアー」

  「鍛えれば 加齢をしても 若返る 筋肉鎧 これから先も」

  「風呂上り 鏡にボディー 写し見る 痩せてはいるが 筋肉モリモリ」

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇蜜蜂の分蜂季節がやって来ました

 先日自宅横の家庭菜園で畑仕事をしていると、何やらブンブン音がするのです。ブンブンの方向に目をやると、裏山の椿の木の近くへ蜜蜂が忙しそうに足繁く出たり入ったりしていました。仕事の手を休め近くに寄ってみると、薮の中に蜜蜂の蜂球ができていました。経験からこれが蜜蜂の分蜂と思い、頭・顔に麦藁帽子と棒虫ネットを被り軍手をして、お米を入れる紙袋を持って近づきました。蜜蜂を飼い始めてもう6年目になりますが、この瞬間が今でも一番怖いものの一番嬉しい瞬間なのです。ブンブン羽音を立てる蜂球の中へ手を突っ込むのはとても勇気のいることです。左手で持った口を広げた米袋の中へ、利き手の右手で蜂球をドサーと落すと、蜂は驚いて逃げ惑うのですが、有無を言わせず米袋の口を塞ぎ、用意した巣箱を横倒しにして入れ込むのです。

やっと巣箱の中に納まった蜂球
やっと巣箱の中に納まった蜂球

 蜜蜂は箱の中へ入るまいと必死に飛び交い、私の体に容赦なく何匹もの蜜蜂がくっつき、中には防虫ネットめがけて突進してくるのです。やがて蜜蜂は暗い巣箱に入って行きますが、いつまで経っても私の服や手袋にまとわりついた蜜蜂もおり、いつも最後にその蜜蜂に刺されて痛い思いをするので、今回はシュロの箒で優しく丹念に払い落とし、20分ほどで巣箱の中に入れましたが、使った巣箱は私が昨年秋作った新しい巣箱だったため、半日余りすると外に出てしまい、結局私の苦労も水の泡となり、落胆の色ありありでした。人間は畳の新しい新居を好みますが、蜜蜂にとっては新居より住み慣れた古い巣箱の方がよリ心地が良いようです。

 明くる日の朝、毎朝庭で木刀の素振りをすることを日課にしている同居の息子が、「お父さん裏山の斜面に何やら蜂が沢山集まって止まっている」と知らせてくれました。前日の傷心の面持ちが再びときめき始め、同じよな出で立ちで米袋に蜂球をすくい入れ、今度は古い空き家の巣箱に入れてやりました。案の定その蜂球は巣箱に居座り、何とか入居をしてくれたようでとりあえずホッと一息です。
 蜜蜂もいよいよ分蜂の季節を迎えています。今年は自分で作った巣箱を壊れた巣箱に替えて4個増やしたため、入居が心配です。実験のつもりで越冬をした巣箱の下に、重箱型巣箱を作ってかさ上げして増量を試んでいますが、今のところその箱は順調に出入りしているようです。
 蜜蜂の井上登師匠から、そろそろキンリョウヘンが咲き始めたので、設置を何時にするか今朝メールが入りました。早速人間牧場の状態も合わせて近況報告し、出会いの日をセットしたいと思っています。

  「蜜蜂の 分蜂の時期 迎えたり 何かとワクワク ドキドキの日々」

  「蜂球の 中に手を入れ 掬い取る 米袋内 大騒動で」

  「新居嫌 古い巣箱が 気にいって 蜜蜂せっせ 巣作り始め」

  「米袋 中で蜂たち 討議する ブンブン羽音 六六討議」 

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇湯がいた筍をいただきました

 近頃は土日の週末になると雨が降り、先週の日曜日も、オレンジデーというイベントを計画していたのに、一日中雨にたたられ、関係者の落胆は相当なもののようでした。最近は雨後の筍というようにあちこちに筍がお目見えしています。3日前の朝散歩をしていると「進ちゃん、筍を上げる」といきなり軽四トラックを止めて、湯がいたばかりの大きな筍の半分をナイロン袋に入れて、知人からいただきました。早速妻に渡し、その夜と昨日はこちらの地方で「筍メバル」という言葉そのままに、旬の筍とメバルを一緒に煮付けてくれました。大きなお釜で湯がきだちの筍はとても柔らかく、息子家族にもお裾分けしました。ところが息子家族からはお返しに、筍ご飯が届きました。私はどちらかと言えば煮込みご飯が余り好きではありませんが、美味しくいただきました。

今が旬の筍
今が旬の筍

    最近は所かまわず悪態の代表選手であるイノシシが出没し、筍を食べられてしまうと農家の人を嘆かせていますが、農家も竹薮の周囲に電気柵を張り巡らせて参戦応戦しているようですが、夜襲を得意とするイノシシの方か戦力も戦術も一枚上で、敗戦の白旗を振ってくやしがらせているようです。筍はこの時期雨が降る度に背丈を伸ばし、ほおっておくと硬くなってしまうのです。そのため筍が地上に頭を出すか出さないかくらいで朝掘りしないと美味しくないそうです。さらに掘った筍は直ぐに茹でないと硬くなるようです。田舎は薪が沢山あるので、自家に大きな移動用のかまどやお釜を持っていて、皮を付けたまま半分に割って米糠を入れて湯がき、その後少し蒸し、十分水に晒して柔らかい筍が出来上がるのです。

  最近は農家も心得ていて、筍に米糠をつけてくれたり、3日前のように湯がいた筍をくれる人が増えてきました。筍をガスで湯がくと相当な労力とガス代がかかるようで、筍を差し上げても喜ばない人もいるようだと農家の人が嘆いていました。
 筍はフキやウド、ワラビ、ゼンマイとともに季節を感じる山菜といわれる山の恵みです。最近は保存技術が進んで、また外国からの輸入も頻繁で、これらの山菜は年中食べられるようになりましたが、やはり旬のものは香りといい味といい、加工品や輸入品とは比べ物にならない奥ゆかしい味がするのです。
 筍は和え物にするとまた違った味が楽しめます。特に木の芽和えなどは、酒を飲まなくなった私でも、「ああ美味い」と感心しながら味わって食べるのです。そろそろ新フキのころです。人間牧場に生えている萌えるような若草色のフキを切り取ってきて、薄皮を剥き梅干しを入れて佃煮にして食べようと思っています。

  「筍を 貰って嬉しく なるにけり メバルと煮付け 春味楽しむ」

  「最近は 筍受難 イノシシに 崎に食べられ 農家は嘆く」

  「隣りから 筍ご飯 届きたる 食物繊維 三昧食べる」

  「筍を 木の芽和えする 妻の知恵 和食堪能 春も一緒に」

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇2円切手の忘れ物

 私は「毎日3枚ハガキを書いたら幸せになれる」という言葉を信じて毎日毎日、もう20年を越えてハガキを3枚書いていますが、4月1日から消費税が5%から8%に値上げされたことに伴い、ハガキが2円も値上げされました。私が大量に買い込んでいるハガキは、消費税値上げ前に買ったものなので、2円ぐらいは負けてくれても良さそうなものをと思いつつ、国の取り決めなので文句を言うことも出来ず、2円切手を大量に買って帰り、切手を貼り足して出していますが、20年を越えた癖は直らないもので、時折2円切手を貼り忘れ、出したはずのハガキが自分の手元に送り返されるハプニングが何度もありました。

 前日も夕方書いたハガキを散歩のつもりで郵便局まで出かけ、玄関先のポストに投函しました。玄関先のポストはつい最近縦型のポストが雨漏りするので、都会にあるようなハガキと封書の差し出し口が別々のポストに変わりました。ちょっとお洒落かなと思い、ハガキを左側のポストに入れた瞬間、2円切手を貼るのを忘れていたことを思い出しました。しまったと思いましたが後の祭りです。〇×▲□な傷心の面持ちで歩いて帰っていると、たまたま顔見知りの郵便局員さんに出会いました。訳を言うと2円不足のハガキは基本的に差出人へ返されるようです。月曜日の朝9時までなら局に留め置いているので、2円切手を持参することで決着しました。ところが買い置きの2円切手が底をついてしまっているので、近所の切手を売っている金物店へ買いに出かけたところ、あいにく店が閉まっていて、今朝出かけましたが2円切手は置いていないとのことでした。

 骨折り損のくたびれ儲けどころか、骨折り損のくたびれ損で、何もすることができずに終ってしまいました。これから郵便局へ出かけますが、郵便局は金融機関のため9時にならないと窓口が開かないようなので、とりあえず荷物預かりの裏口へ回り2円×3枚分=6円を支払い訳を言って処理したいと思います。ああじれったいったらありゃしないです。
 今月から31日×3枚×2円=186円が私の余分な出費です。買い物を余りない私ですが、とんだところで予期せぬ消費税増税の洗礼を受けてしまいました。私の消費税貯金箱にはまた新たな収入となり、二重の出費に少し気分が落ち込んでいます。

  「ハガキ書き ポストへ投函 した後に 切手貼るのを 忘れ気がつく」

  「毎日の ことゆえ2円 一ヶ月 186円 痛い増税」

  「このところ 一円硬貨 よく使う 思わぬ場所で 思わぬことに」

  「骨折り損 くたびれ損と 2円損 損損損と 三つ損する」 

[ この記事をシェアする ]

人間牧場

〇いただいた「ぼけない5か条」のメモ紙

 昨日隣に住む叔母の家に久しぶりに立ち寄りました。散歩の途中に庭で草を引いている叔母の姿が目に留まり、声を掛けると「まあお茶でも入れるからお入りや」と誘われての談義です。叔母夫婦は傘の製造販売を長年やっていますが、最近は古布を使った粋なオンリーワンの高級な傘を考案し、そのことが受けてその道で話題となり、度々マスコミにも取り上げられていますが、夫婦揃って老域に達しつつあるため、そろそろ潮時と決めて、その道から足を洗おうとしているようで、お店の中も随分と片付きすっきりしているようでした。

 お茶を入れてもらいコタツに足を突っ込んで、近況や四方山話に花を咲かせました。叔母は親父の12人兄弟姉妹の11番目の妹ですが、妹の叔母ですら74歳ですから、いかに兄弟姉妹が歳を重ねているか推し量れるのです。話題はもっぱら親父を始め兄弟姉妹の話題が中心でした。既に鬼門に入っている兄弟姉妹もいますが、生きていても少々認知症が進んでいる兄弟姉妹もいて、自分の寄る年波とともに最近は、物覚えが悪くなったと嘆いていました。勿論私も例外ではなくその類で、認知症を防ぐにはどうしたらいいか教えて欲しいと言われました。

 私も最近人の名前を思い出す速度が鈍り始めました。街中で出会った人から「若松さんお元気ですか!!」と声をかけられても、「えっ?、誰だっけ?」ということがしょっちゅうです。勿論不特定多数の人の前で講演等をしている私が、全ての人を覚えること等できる訳がないので、相手の人には失礼ながら、適当に思い出しながら話していますが、今後講演等の依頼がなくなり人と出会う機会が少なくなると、益々人の顔と名前を思い出せなくなるきらいがあるのです。まあこれも歳をとった勲章だと、諦めて生きて行かねばならないようです。

 先日友人から頂いていた「ぼけない5か条」というA4四つ切の小さな紙切れをポケットに入れて持ち歩いていたので、その話をしてお暇しました。久しぶりに叔母と二人きりでのんびり話ができていい一日でした。帰り際叔母が、「ぼけない5か条はあんたの生き方みたいだね」と声を掛けてくれ、「あっはっは!!」と笑いながら納得しました。
   「ぼけない5か条」
  一、仲間がいて気持ちの若い人
  二、人の世話をよくし感謝のできる人
  三、ものをよく読みよく書く人
  四、よく笑い感動を忘れない人
  五、趣味の楽しみを持ち、旅の好きな人」

仲間からもらった「ぼけない5か条」
仲間からもらった「ぼけない5か条」
[ この記事をシェアする ]