人間牧場

〇3時間・3日・3年の壁
 私たちは3月11日の東日本大震災や、1月1日の能登半島地震など、日本の各地で頻発する自然災害は枚挙にいとまがない災害多発の日本で暮らしています。災害で被災した当事者にとっては一生忘れられないし忘れて欲しくない出来事でしょうが、その時は寄り添って心を痛めても残念ながら、外野にいる私たちは失礼ながら、日常は思い出すことも殆どなく、「早13年か」と記憶を蘇らせる程度の記憶力しかないようです。

 私たち人間の記憶能力は余程のことがない限り3時間・3日・3年の壁があるようです。その中でも一番近いのは「3時間前」です。何もなければ思い出すこともなく記憶の彼方へ消える運命にあるようで、「今朝何を食べた?」ことすら「はて?何を食べたのだろう?」と曖昧な記憶にハッと驚くのです。「3日前」に至っては思い出すこすら忘れています。

「3年前」となると365日×3年=1095日も経っていて、1095日分の新しい出来事記憶が積み重なってもうお手上げです。そのような人間が唯一出来ることは記録をして記憶にとどめることです。「記録しないものは記憶されない」とは民俗学者宮本常一の言葉ですが、凡人の私でもささやかな記録なら出来るかも知れないと退職後間もなくブログや、その後Facebookで記録をするようになりました。公開していることもあって、多くの人が読んで感想を寄せてくれていますが、過去の記録がアーカイブス記憶機能で瞬時に取り出せる便利な世の中です。

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