〇八景山の根上がりの松
私は若い頃双海町観光協会の事務局長を兼務していました。その頃の双海町はまだ観光らしい観光は殆どなく、観光に訪れる人もゼロに近い状態でした。県庁所在地松山からわずか25キロしか離れていないのに、松山の人さえ殆ど知られていな状態でした。この町を売り出そうと思ったものの、素人の私には何をどうしていいか分からず、悶々の日々を過ごしていました。
「観光は内磨きだ」と思った私は、周りの理解も期待もないまま兼務ながら、ゼロ予算で色々な策を打ち出し、寝食を忘れて思い切り動き回りました。「夢亡き民は滅びる」という言葉通り様々な夢を描きました。その夢の中にはまだまだ達成途上のものも沢山ありますが、次第に形となり多くの人の後押しや受け継いだ人たちの努力によって今の姿となっているのです。
4~5日前所用で潮風ふれあい公園へ出かけました。その折旧八景山と呼ばれていた頃作った展望台まで一人で足を伸ばしました。周辺は樹木が生い茂り、眺望を遮って遠望が利かなくなっている所もありましたが、ここの桜は当時はとても綺麗で、春にはボンボリを点けて内外にPRしました。その入り口に鳥居がありますが、その横に根上がりの松があります。
松の根元の土が風雨で洗われ、根が露出してできた銘木と呼ぶにふさわしい風格です。ここは金毘羅さんの遥拝所となっていて、石灯篭もありますが、今は訪れる人も殆どないようですが、昔と変わらぬ姿を留めていて、まるで龍が立っているような姿には圧倒されます。流行りの鬼滅の刃ではありませんが、パワースポットとして売り出したい心境でした。
「双海町 観光客は ゼロの町 だったが今は 名前も知れて」
「そこここに 若かりし頃の 痕跡が 残っているが 今はただただ」
「八景山 かつては桜の 名所なり ボンボリつけて 花見したっけ」
「根上がりの 松の姿は まるで龍 パワースポット 売り出すチャンス」