人間牧場

〇景観に優しい国道378号のガードパイプ

 私の住んでいる伊予市双海町は、まちの北側に瀬戸内の海が開け、東西ほぼ一直線に海岸線が伸び、国道378号がJR予讃線と並行して走っています。ゆえに自慢するほどずう~っと海を見ながら走れるのです。子どもの頃はこの道も県道で、離合さえままならぬ「いんぐりまんぐり」の細い道でした。

昔はこんなガードレールでした(イメージ)
今はこんなガードパイプになりました

 国道になれば国の予算が格段に増えて、改良工事が行われるため行政も、「国道昇格」を最重要テーマとして、盛んに国県に対し陳情運動を繰り広げた結果国道378号に昇格し、高度成長や日本列島改造のブームも後押しし、海を埋めてて今に見られる立派な国道が完成したのです。

 当時の国道は安全が第一で、海に車が落ちないように、白くて幅の広いガードレールが無機質に設置され、折角の海の見える景観も台無しでした。当時まちづくりに深く関わっていた私は、国道を管理する伊予土木事務所を訪ね、ガードレールを海のよく見えるガードパイプにして欲しいと、景観行政の必要性を説きましたが、財政事情や安全性を理由に冷たくあしらわれました。

 それでも粘り強く言い続けた結果、老朽化し始めた場所の改修を理由に、次々とガードパイプに変身し、嬉しいことにいつの間にかその殆どが薄いブル―色のガードパイプになったのです。地域に住む人々にとって海がよく見える景観は原が満腹になるでもなく、それほど意味もないことなので、「そういえば」程度で気づいていませんが、心ある人はしっかりとそのことを認識しているようです。

 国道378号に愛称をつけるという私の提案に対しても、「国道は番号で識別できる」と、一人の役場職員の戯言として聞き流されましたが、「住民運動なら仕方がない」という話を取り付け、全国公募して応募4800件の中から「夕やけこやけライン」という愛称を選び、今では道路地図の殆どに「夕やけこやけライン」として載っているのです。してやったりの心境です。

「海景観 損なうからと 訴えた ガードレールが ガードパイプに」

「行政は 一に前例 二にお金 やらないことを やれないと言う」

「声上げた 一人の役場 職員の 戯言冷遇 粘り腰勝ち」

「今にして 思えば色々 あったけど 小さな町が 見事変身」

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