〇やっぱりおくてのみかんが美味しい
このところ、柑橘生産日本一を40年以上にわたって続けている愛媛県では、沢山の柑橘品種が出回っていますが、紅マドンナや甘平、清美、宮内伊予甘など超一級の名の知れた品種を除けば、柑橘産地でも知らない名前の柑橘が殆どで、昨日も久しぶりに出会った友人から、あれやこれやの品種を説明をして一袋いただきましたが、自宅へ帰って思い出そうとしたものの、「はてさてこれは何という品種だったっけ?」と思い出せないありさまでした。
一昨日普通温州みかんを友人がわが家へ届けてくれました。いわゆる昔懐かしい「おくて」のみかんです。最近は少しでも珍しい間に早く市場に出して、少しでも高く売りたいという農家の方の思いもあって、極早生や超極早生の栽培が盛んになっていますが、年末に収穫して貯蔵庫で眠らせて、この時期に食べるおくてのみかんは、味といいこくといい、「これぞみかん」と納得するにふさわしい美味しさで、何よりも皮を剥いて食べやすいこともあり、昨日はコタツの中に足を突っ込んで、5~6個も食べてその味を堪能しました。
ふと少年の頃のことを思い出しました。私たちが子どもの頃はみかんは貴重品でした。わが家は幸せなことに半農半漁だったため魚もみかんも事欠きませんでしたが、みかんを長期保存するほどではなかったので、3月を過ぎるこの頃のみかんは、共同選果場から出るいわゆるハネもので、傷がついたり少し傷みかけたものを包丁で切り落として食べていました。傷みかけたみかんは完熟ゆえに美味しく、ほっぺが落ちるほどでした。お百姓さんが汗水たらして作ったみかんを、粗末にせずに感謝して食べる思い出は、今も心に深く焼き付いています。
「日本一 柑橘産地 ゆえなるか 品種多過ぎ 覚えられない」
「この時期は いわゆるおくて 貯蔵した みかん美味しい 私大好き」
「手や顔が 黄色くなるほど 食べていた 少年の頃 ゆえに風邪など」
「一年中 柑橘類を 食べている これも幸せ ご当地恩恵」