人間牧場

〇農業高校の農業自営者養成研修会

 毎年この時期になると、県内の農業高校の生徒が人間牧場へ研修に来ます。これまでは伊予農業高校に勤めていた秋山先生が幹事を務めていたのでスケジュールも、阿吽の呼吸で打ち合わせていましたが、秋山先生が異動でいなくなったため、別の先生2名の引率なので少々不安でした。9時15分からというので、少し早めの8時30分に人間牧場へ到着し、水平線の家の板間に掃除機をかけたり、蚊取り線香をつけたりしながら待ちましたが、いつも借りきっている奥島観光のバスなので、間違うこともなく、16人の生徒が5分前に到着しました。

DSCN4297 DSCN4302 私の話は約一時間余りでしたが、将来農業自営を目指す生徒なので、思いつくまま話をしました。メモを取りながら終始熱心に話を聞いてくれました。総論的には「お金を儲けようと思えば都会へ行きなさい。いい人生を送ろうと思えばふるさとに残りなさい」という二者択一の持論です。3日前私は偶然にも都会に出て暮らす小小学校の同級生に会いました。その同級生は私と比べ物にならないくらい優秀で、私立中学・高校・大学と進み、大企業に就職して都会で暮らしていました。田舎者の私も都会に憧れた時代があり、その同級生を羨ましく思っていました。

 ところが先日会った時、その同級生から「あんたが羨ましい」と意外な話を聞きました。「生まれ育ったふるさとに暮らし、ふるさとのために働き、ふるさとの人と暮らし、ふるさとで死ねることは何よりの幸せ」だそうで、私の活き活きと輝いて生きている音信を聞くにつけ、都会の片隅で老いを迎える寂しさと望郷の念について切々と話してくれました。何不自由なく都会で豊かな暮らしをしているはずの人にも悩みはあるのです。20世紀は田舎が都会に憧れる時代でした。21世紀は都会が田舎に憧れる時代かも知れません。

 そんなこんなを話ながら、どうすればいい生き方が出来るか、それぞれが悩みながら生きて行こうとみんなで考えました。短い時間でしたが意見交換でも沢山手が挙がり、生徒たちはウッドデッキで記念撮影し、ロケーション風呂を見学した後、次の目的地に向かって帰って行きました。昨日は晴れてはいましたがガスがかかって視界は余りよくありませんでしたが、中には昨年に引き続きやって来た生徒もいて、去年と違った私の話に感心して、又来たいと言っていました。生徒達の心の扉を少しは開けれたでしょうか。心もとない話です。

  「農業を 目指す農高 生徒たち 人間牧場 私の話」

  「金儲け したくば都会 行きなさい こんな話に 生徒ビックリ」

  「同級生 都会暮らしで 満足を しているはずが 実は真逆で」

  「若者は 壁に当たって 転んだり しながら人生 より良き方向」

 

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