〇人間牧場への置手紙
人間牧場を開設して10年目の春を迎えました。人間牧場の利用者は施設の充実に合わせ、年々うなぎ上りで、記録こそしていませんが今では年間1000人もの人がやって来ています。人間牧場までは急峻で狭い道だし、場所も急峻な土地にへばりつくように造られていて、案内看板さえ一枚も設置してないのに、なぜ人がやって来るのか、地元の人を不思議がらせています。
3日ほど前、シイタケを植えるくぬぎの原木を人間牧場へ持って行くと、人間牧場の戸が開いていて5~6人が何やら楽しそうに話していました。見ればわが家の若嫁もその輪の中に入っていました。聞けば移住促進交流事業の見学のためやって来た都会の人を、急なお思い付きで地域おこし協力隊の本多さんご夫妻と案内したついでの立ち寄りのようでした。
こんなことはザラで、私の知らない間にも沢山の人が人間牧場へアポイントも取らず、やって来ているようですが、時には網の目のように張り巡らされた農道に迷い込み、「私は今どこにいるの?、どうすればいいの?」と、出るに出られぬかごの鳥となって、SOSを出して助けに行くこともしょっちゅうなのです。例え「一度行ったことがある」からと、安易な考えで出かけても道に迷う事だってあるのですから、くれぐれもご用心をと注意を促しています。特にこの地域で道に迷うと携帯電話が通じない所もあるので心配です。
留守中に訪ねた人がよく置手紙をして帰ります。「勝手に留守中にお邪魔しました。素晴らしい眺望と環境に感動しました。この次は是非中に入って若松さんの説明を受けたいです」などとメモ紙に書いて入り口の戸の隙間に挟んだりしているのです。
3日前水平線の家の棚に一枚のメモ書きが置かれているのを発見しました。鉛筆で書いたメモの字が薄くて全てを読むことはできませんでしたが、「若松進一さんへ」と書かれた置手紙は6人の連名でした。26日と27日の2日間人間牧場で開催した子ども体験塾ジュニアリーダー研修会に参加した、子どもたちからのメッセージはとてもほのぼのとして嬉しいものでした。
判読できる1年A組幸美紀さんのメッセージは「今回の研修では人間牧場を貸してくださりありがとうございました。今回の研修で、まわりを見て動くことができました。」、6年生の渡辺大輝君は「ありがとうござました。とても勉強になりました。これからもがんばるのでよろしくおねがいします。6年生の大政悠暉君は「初めて人間牧場へ泊まりました。とてもきちょうな体験をさしていただき、ありがとうございます。」とそれぞれか書かれていました。いやはや嬉しいの一言です。
置手紙もさることながら、人間牧場へやって来た人からは、沢山のお便りやメールが届いています。1日3枚のハガキを出す習慣やメール返信をしながら、バーチャルな交流を続けていますが、これこそ人間牧場の目指している縁や絆、それに恩返しの思想です。今日で丸9年を終えるに当たり、次なる10周年に向けて更なる進化を遂げたいと決意を新たにしました。
今年は書き始めている「人間牧場物語」も少しずつ思い出しながら歩を進めたいと思っていますが、記憶力の減退はいかんともし難く、ブログ記事を呼び出しながらスキルアップし、記憶と記憶をマッチングさせたいものです。
「玄関の 棚さりげなく 置手紙 『若松さんへ』 子どもたちから」
「1年に 千人以上 人が来る 魅力は人縁 さらには眺望」
「来年度 10周年を 早迎え 思い新たに 進化し続け」
「さあ次は 人間牧場 物語 書こうと思い 既に始めて」