人間牧場

〇今夜はツワブキ食卓のぼる」

 昨日の夕方人間牧場へ、今日の作業に必要なチェンソーを取りに、軽四トラックで出かけました。戸外はまだまだ肌寒いのに、途中の閏住の菜の花畑には日曜日とあって、車が置けないほど花見客が来ていて、大賑わいのようでした。中には菜の花畑の中へ入って写真を撮っている人たちも沢山いて、折角咲いた菜の花が無残にも踏み倒されて、相変わらずのマナーの悪さを車の窓越しに見ながら通り過ぎました。

 わが人間牧場へ到着すると、乗用車が一台止まっていました。お墓参りに来た人かと思いきや、どうやらツワブキを取りに来た人のようで、中年の見知らぬ夫婦が既にわが畑のツワブキの新芽を抜き取っているようでした。私に気付いたのかバツが悪そうにしていましたが、道は行き止まりなため、私の車が邪魔になり声を掛けずに立ち去ることもできないため、「すみませんツワブキを少しいただきました。車を動かしてくれませんか」と言われ、叱る気にもなれず車をどかしてあげましたが、車の長さほどの狭い行き止まりの回転場ゆえ、何度も切り返しやっとの思いで方向転換し帰って行きました。

すっかり大きくなったツワブキの新芽
すっかり大きくなったツワブキの新芽

 人間牧場にはこの数年、草刈りの度に刈らずに残して、育てているツワブキの株が沢山あるのですが、春先になるとこのように見ず知らずの人が、新芽を取りにやって来るのです。これは植えているので取らないでと言いたいのですが、四六時中番をすることもできないので、私の留守中にこうして抜き取られてしまうのです。ツワブキの株の中には早くも春の息吹とでもいうべき、綿帽子を被ったようなツワブキの新芽が沢山出ていて、私も抜き取られない前に少し収穫をして持ち帰りました。

 帰宅後、昨日から始まった大相撲春場所の様子をテレビ観戦しながら、灰汁が手につかないよう、薄いビニール手袋を両手にはめて皮を剥きました。皮を剥いたツワブキは水を張った容器に投入れ灰汁を抜くのです。1時間余りの作業で何とか処理することができました。このツワブキを一晩水で晒して灰汁を抜いたので、今日の夕方茹でて更に灰汁を取ったものを、メバルなどの春の魚とともに煮付けると、美味しい春の野草として一品食卓を賑わせてくれるのです。歳をとったせいでしょうか、フキのトウやタラの芽、ウド、ツワブキのような灰汁の強い春の野草を、季節の贈り物として食べたくなるのです。どうやら春が来たようですね。

  「牧場の ツワブキ新芽 他所人に ちゃっかり先に 盗み取られる」

  「残り物 ツワブキ新芽 持ち帰り テレビ見ながら 皮剥ぎ作業」

  「さあ今日は ツワブキ新芽 食卓に メバルとともに 煮付け食卓」

  「歳だなあ こんな灰汁どい 食べ物を 欲しがるなんて 納得しきり」

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