〇年輪塾公開セミナー(その3)
年輪塾公開セミナーのメインは講演と鼎談、それに交流会です。今回もその道の第一人者である国際草の根交流センター顧問の川澄哲夫さんを招き、ジョン万次郎の知られざる世界を存分に聞かせてもらいました。
鼎談はいつものことながら塾長の私が進行役となり、土佐市のジョン万研究家青野博さんとウエルカムジョン万の会の代表田中裕美さんを向かえ、議論を戦わせました。鼎談を前に中心になって準備を進めていた小番頭の松本さんから、青野さんや田中さんに鼎談の進め方について連絡したいというので、次のような大まかな筋書きを作りお二人に送ってもらいました。
「今に生きるジョン万スピリッツ」をテーマの鼎談は、この筋書きで進むように見えましたが、途中講師の川澄先生が乱入し、私の考えていた通りにはなりませんでした。でも新居浜の武田さんや直野さん、加藤さんとともにやって来ていたイトー・バーバラさんの話が予想以上に面白く、元に引き戻すことが出来ました。私は公開セミナーの当日朝早く起きて、ジョン万次郎のキーワードを①太平洋・海、②遭難・鳥島、③船長・ヘブン、④捕鯨船・鯨、⑤ゴールド、⑥望郷・母親、⑦鎖国・開国、⑧英語、⑨隣人愛、⑩宿命・運命という10項目を選び、少し大きめの字でプリントアウトして、参加者に提示し、塾生から提出してもらったジョン万から学んだこと、鼎談で取り上げて欲しいことを素材にしようと試みましたが、時間的余裕がなく深入りした議論が出来なかったことを大いに反省しています。
それでもこの2年間のまとめとしては、それなりの成果を得ることができました。貧乏漁師の小せがれに生まれた宿命を遭難という事象によって運命に変えたジョン万の不屈の精神は、一人の人間としてどう生きねばならないのか、またどう社会に貢献すべきかを考えさせられた超人的人物でした。私は宮本常一に記録と記憶の大切さを教わりました。二宮金次郎には経済と道徳の融合を教わりました。教わってもそれが自分という人間に置き換えて、何が出来るか考え行動に移し、それを習慣化するか、まさに金次郎銅像が右足を一歩前にしている姿そのものなのです。私は宮本常一の教えをブログという手法で実践しています。二宮金次郎は讃岐先生から貰った銅像と同行二人で全国行脚し、尊徳の教えを各地へ布教しています。勿論常一と金次郎に少しでも近づくために・・・・・。
ジョン万次郎スピリッツは宿命と運命です。人は親を選べず、生まれる場所も生まれる時代もを選ぶことはできません。自分の置かれている境遇を宿命と思えば、そこから抜け出ることは出来ませんが、心に希望の火を掲げ宿命を受け入れながら、自分の力で宿命を運命に変えて行くことこそ、ジョン万スピリッツなのです。今回もジョン万次郎から多くのことを学びました。歴史上の人物ながら、もしジョン万次郎という先人と出会っていなかったらと思うと、年輪塾の学びは私に多くのことを学ばせ、これからの人生を豊かにしてくれる恩人のような気がするのです。
大河ドラマではありませんが、来年はいよいよ地元学、近江聖人中江藤樹を先人と定め、「知行合一」の学習を始めます。ご期待下さい。
「鼎談の 進行役を 買って出る 筋書き作るも 少し寄り道」
「キーワード プリントアウトし 提示する みんなそれなり 納得しつつ」
「セミナーに 外国人も 参加する 年輪塾も 少しレベルが」
「スピリッツ 日本人には 欠けてると テーマ選んで 良かった良かった」