人間牧場

〇若嫁の作ったお弁当

 2~3日前の夕方すっかり日課となっている、同居している孫たちとの入浴を4人で楽しみました。私たち夫婦が先に入り、身体を洗い終わった頃を見計らって孫たちが入ってきます。長男孫の希心から私が頭を洗った後、妻が身体を洗ってやるのです。その後次男孫奏心も同じようにして洗い、希心は100、奏心は70数を湯船に浸かって数えて一丁上がりですが、最近は頭を洗う前二人とも、嬉しいことに「お願いします」と、私にあいさつをしてくれるのです。何処で習ってきたのか知りませんが、一丁前のことを言うわいと目を細めています。風呂に入りながらその日にあったことを、世間話風に聞き出すのも楽しいことで、孫たちは問わず物語を大いに語ったり、タイルに張ったカタカナ表記の文字も全て風呂場で覚えてくれました。
 「おじいちゃん、明日は遠足でトベ動物園へ行くんよ」「お母さんがお弁当を作ってくれるんよ」と楽しそうに話していました。

若嫁が作った親子遠足用の弁当
若嫁が作った親子遠足用の弁当

 明くる日の朝、孫たちはいつになく早起きし、わが家書斎へ「お早うございます」とあいさつにやって来ました。聞きもしないのに「今日は動物園に遠足に行く」と楽しそうに話してくれました。若嫁も早起きをして孫たちからリクエストのあったお弁当を作っているようでした。
 ソワソワしていた孫たちが、「おじいちゃんお弁当ができたから見に来て」と誘いにやって来ました。孫に手を引かれてダイニングに行って見ると、まあそれは楽しいお弁当が出来上がっていました。私たちが子どものころの弁当といえば、お節句以外はそれはもう無味乾燥なものでしたが、若嫁の作ったお弁当は、まるで夢のような絵になるものでした。孫たちは母親に連れられて少し遅めにわが家を出て、バスでトベ動物園へ出かけましたが、「今頃は弁当を広げて楽しそうにしているだろうな」と思うだけで、こちらまで顔がほころびました。

 最近は驚いたことに、学校の運動会もお弁当の注文があるほどだそうで、弁当等家で作らない母親もいるそうです。何らかの事情で母子家庭になったり、働かなければならないため、弁当を作る暇がない人もいるようですが、子どもにとって弁当は親子の絆を確かめ合うとても大切なものだけに、例え粗末なものでも手作りして持たせてやりたいものです。
 今、弁当が見直されています。子どもたちの体位向上には万能と思われた学校給食も、学校に任せきりで、朝ごはんさえ食べさせずに登校させる親もいるのです。「早寝・早起き・朝ごはん」は今流のスローガンですが、このスローガンを言わなければならない現代社会の歪もあり、少子化も含めて社会は混沌としているようです。

  「弁当が 出来たと自慢 する孫は 幸せ者だ お目々細めて」

  「その昔 母が作った 弁当は 卵を焼いて 漬物梅干し」

  「今時の 母親遊び 心あり まるでメルヘン 弁当凄い」

  「弁当は 親子の絆 効果あり 美味しかったと 空持ち帰る」

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