〇四国に春一番が吹きました
「春一番」といえば、本当は漁師泣かせの春の嵐で、忌み嫌うものなのですが、季節が冬から春に向かう天気の変わり目なので、今年のように冬が寒いと事の他待ちどおしく感じて、この日を一日千秋の思いで待ちました。今日から3月ということもあって、春一番の強い南風も、またその降り始めたかなり激しい雨も、どこか浮き浮きといった感じで、前年より16日も早い春の使者に心をときめかせているのです。
今日3月1日は愛媛県下の県立高校の卒業式の日です。愛媛県立松山工業高校の学校評議員を長年にわたって務めている私にとっては、すっかり毎年の恒例行事となっていて、今日も卒業式で混雑が予想される交通事情を考慮して、9時過ぎに学校に到着するよう少し早めに出かけました。春風が吹く中、車を走らせましたが、心配した混雑にも合わず来賓では私が一番早く到着しました。
去年も喜多岡校長先生は最後の卒業式でしたが、今年の安田校長先生も今年で定年退職のため最後の卒業式のようで、思い出深い記憶に残る卒業証書授与式となりました。体育館に在校生が整列して卒業生を最前列に拍手で迎えました。ドボルザーク作曲の交響曲第8番第3楽章がブラスバンド部の皆さんによって演奏され格調高く開式されました。今年は担任の女性の先生も和服で先導するなど見所いっぱいでした。
松山工業高校の卒業式に出席していつも思うのですが、3年間皆勤が今年も117名もいたようで、実業高校ならではの快挙のような気がしました。安田校長先生の式辞も、在校生送辞や卒業生答辞もすべて完璧で、締めくくりに歌った百錬鉄の校歌も抜群でした。
学科ごとに立ってお辞儀をし、「ありがとうございました」と揃ってあいさつをした卒業生の声がとても印象的でした。卒業生はこれからそれぞれの進路を目指して新しい一歩を歩み始めるのでしょうが、この高校を卒業した3人の息子のように、途中挫折したり進路を変えたりしなければならないこともあるでしょうが、わが息子のように普通でいいから一生懸命生きて欲しいと願っています。
長男は建築科を出て、会社は変わったものの設計の仕事を今も続けています。次男は機械科を出て就職していましたが、一念発起して看護学校へ行き、看護師の資格を取って今は日赤の看護師として働いています。三男は機械科を出て大学へ進学して就職しましたが、その後警察官を志望して、今は生活安全課の刑事をして頑張っています。まあそれぞれですが、普通の人として普通に生きているようで何よりです。
「春一番 吹いて浮き浮き 春が来た 三寒四温 やがて桜が」
「これまでに 何度出席 したことか 卒業式は どこかしんみり」
「わが息子 三人ここを 巣立ったが 今は別道 それもまたよし」
「ありがとう 大きな声で お礼述べ 会場を出る 頑張れみんな」